A.歌手などの歌でも、ほとんどが円熟とか成熟という名のもとに慣れ親しみ、汚れ、新鮮なものでなくなっていきます。それが昔のように、全盛期をすぎ、ナツメロ歌手になる頃ならよいのですが、今の日本では特にそれが早く、昔であれば40代、早ければ30代で退化している人にいるように思うのですが、今や(この20年くらい)デビューから2、3年枚目のアルバムで、もうそうなってしまう人が少なくないのです。(この件は別に述べます)
一つには客の耳が育たないことがあります。カラオケで歌いなれた客は他人の歌を聴く耳がおろそかになっています。俳優や歌手も、次々にステップアップした大舞台に立つ人は、表現から、厳しく反省を常に強いられます。すると、おのずとよくなっていきます。(ただ、他のアートや海外と違い、その表現が、基礎のオリジナリティの延長にないことが日本の場合大問題です。そこからトレーナーになる人は、表現からも基礎からも厳しい追及を受けなくなり、自分より実力や経験のない人ばかりと接するので、形やマニュアル先行で直感などが磨かれず、ただ先にやってきただけの先生になってしまいがちです。(Ei)