A.人が直立し、二足歩行へ移行すると、脊椎が地上に対して垂直となり、頭は背骨の真上にきます。おのずと首が地面に垂直になりました。四足歩行の時には、鼻腔・口腔・咽頭腔、および、喉頭がほぼ一直線上に並んでいた気道が鼻咽喉で直角に屈曲するようになったのです。その結果、軟口蓋があがり、鼻咽喉を閉鎖する働きをもつ口蓋帆挙筋【こうがいはんきょきん】も動物に比べて、気道はほぼ垂直に折れ曲がり、この筋が鼻咽喉の開閉運動にも影響を及ぼすようになりました。これで、肺からの呼気が鼻でなく、口の方へ流れやすくなったのです。(♭ф)