発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4496.声を指導するにあたり、注意すべきことは何ですか。(13)~(15)

A.まずは一人ひとりの生徒さんの声を良く聴く。また性格も把握し、できるだけ、それぞれに効果的な接し方をする。
腹式呼吸や歌に対しての知識をどう捕らえているのか、観察したり話を聞きながら、間違った解釈や思い込みがあった場合修正していく。
それぞれの生徒さんの問題点やその原因に気づき、改善されるよう指導する。この時、1つの言葉でも人によって受け止め方や解釈が様々なので内容がきちんと伝わるまで、表現を変えたり、角度を変えて話し、根気良く説明します。
原因がフォームや技術的なことではなく、メンタルなことの場合、さりげなく話を聞きながら、自分自身で気づいてもらうように促して改善していくことです。(♯μ)

A.私の場合、声の指導ということはつまり体の使い方ということを念頭に指導すべきと考えています。声というものはマラソンで言うとゴール地点後のようなものに例えられると思います。つまりはスタートする前の準備があり、スタートからゴールまでの体の働きがあり、そして最終的にゴールした後に初めて声として外に伝わっていくもの、ということです。ゴール地点後にいざあれこれ変えようとしてもマラソンはすでに終わっています。もちろんマラソンのトレーニングには体の事のみならず、自分の心と向き合っていくことも必要でしょう。
そうした様々なものを日常的にやっていくことを意識付けていくことが指導には大切だと思っています。そしてまた言うならば、パフォーマンスをするということはゴール後のことであるということも忘れてはいけません。(♭Ч)

A.自分が声を指導するにあたり一番気をつけていることは、「その人の持っている声を如何に有効活用してボリュームのある声、魅力的な輝かしい声に育てるか」ということです。
その為には先ず、「その人の持っている声が自然な状態で発声できる」状態にすることが必要です。
普段、我々が特に意識することなく行っている動作で声を使うことは「会話」だと思います。
その「会話」している時の声を基本として、喉を絞めたような発声にならないように、また、弱々しすぎない発生になるように、効率よく身体を使って発声できるように育てていくことが必要だと考えます。
「歌声」というのは「話し声」の延長線上にあるものだと思います。
「歌声」と「話し声」が何の接点もなく明らかに違って聴こえるような状態というのは、どこかで無理している可能性があり、とても危険だと思います。
また、誰にでも同じメニューや同じ指摘しかしない一辺倒な指導は、大変危険だと思います。人其々声質も音域も、よく言えば特徴・悪く言えば癖も全然違います。
同じ人でも、昨日と今日、今日と明日で全然違う場合があります。
其々の特徴に合わせて、最も優先すべき内容を的確に指導することが、指導者の資質だと考えます。(♭Я)