発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4767.日本の歌は、伸ばしがちな傾向とスピーディに入れない感じがしますが、どうしてでしょうか。

A.日本の音楽は、もともと語尾の母音を伸ばしたり、ふるわせるものです。能の謡、長唄、清元、歌謡曲も同じです。たとえば、平家物語「ぎおオーオーオーんしょーおじゃのオー」という具合です。
能の祝言小謡では、口の中にこもらせます。これで重々しく、厳めしくおめでたくしているのです。義太夫節長唄でも似た感じです。
義太夫節では「ひびき仮名」といって、Eをエンネ、Aをアンナ、Iをインニ、Uをウンヌ、Oをオンノとするわけです。語尾の母音の変化でことばをひびかせるというまで徹底しています。入り方もずりあげます。向こうのような歌については向こうの人のように歌えない理由はそこにもあります。(♭θ)