A.日本の音楽は、もともと語尾の母音を伸ばしたり、ふるわせるものです。能の謡、長唄、清元、歌謡曲も同じです。たとえば、平家物語「ぎおオーオーオーんしょーおじゃのオー」という具合です。
能の祝言小謡では、口の中にこもらせます。これで重々しく、厳めしくおめでたくしているのです。義太夫節も長唄でも似た感じです。
義太夫節では「ひびき仮名」といって、Eをエンネ、Aをアンナ、Iをインニ、Uをウンヌ、Oをオンノとするわけです。語尾の母音の変化でことばをひびかせるというまで徹底しています。入り方もずりあげます。向こうのような歌については向こうの人のように歌えない理由はそこにもあります。(♭θ)