Q.のどあめは効果的ですか。
A.最近は、のどアメやトローチにもいろいろありますが、あえて薬用効果をうったえているものに頼る必要はありません。ただのアメでも、唾液が分泌されるということでは同じくらいの効果があります。トローチ類は、特にのどがやられているとき以外は不要でしょう。甘いもの、ねばりつくものはよくないと思います。カロリーがあって太るのでやめましょう。ともかくも大半はメンタル的な効果(プラシーボや気分がすっきりするなど)が関の山です。(♭ф)
Q.歌手は美食家ですか。
A.「シャリアピン・ステーキ」ロシアの名バス歌手、シャリアピン(ロシア バス)は、来日したときの帝国ホテルの料理長が考えたといわれています。シカゴのレストランで考案との説もあります。
よくいためたタマネギがのるステーキ。ルネ・コロ(独)の、神戸牛ステーキ好きも有名です。
「スパゲティ・カルーソー」カルーソーの出身地、ナポリ風スパゲティ。シャンピニオンと生クリームに、トマト、タマネギ。マッシュルームと生クリーム味。もちろん、エンリコ・カルーソー。
(♭ф)
Q.なぜ歌手の名をメニュー名に使ったりするのですか。
A.「ピーチ・メルバ」桃を使ったデザート。オーストラリアの名ソプラノ、ネリー・メルバのため、ロンドンのサヴォイ・ホテルの料理長が考案しました。彼女の歌ったワーグナーのオペラ「ローエングリン」のストーリーをお菓子に。「オペラ」というケーキは、チョコレートの層が重なり、上に金色の飾りがつきます。このたびハーゲンダッツにも入りました。☆
ちなみに音楽界では、何といっても作曲家ロッシーニ、37歳で「ウィリアム・テル」で大成功し、あとは76歳までグルメといわれているほどです。「トゥルヌド・ロッシーニ」ステーキの上にフォアグラとトリュフ、洋酒で味つけ。他にロッシーニ風オムレツ、ロッシーニ風リゾット、ロッシーニ風バルサミコ酢などがあります。
(♭ф)
Q. 空腹時と満腹時、声を出すにはどちらがよいでしょうか。
A.満腹時は、集中力がなくなり、眠くなります。血がお腹へまわると、横隔膜が圧迫され、腹式呼吸がしにくいのです。(これは、便秘時も同じ)
それに対し、空腹時には、体力、集中力がなくなります。のども疲れやすくなります(下痢時も同じ)。
最もよいのは腹6分目で、食後90分くらいたったときでしょう。
空腹でめまいがするほどなら別ですが、初心者なら無理に急いで食べたあとより、空腹の方が無難でしょう。ベテランなら直前にでも少し食べてもよいといえます。その人によって個人差が大きいので、自分で決めましょう。食べすぎは厳禁です。
胃にもたれないように、バナナなど消化しやすいものや、カロリーメイト缶などの水分での栄養補給がよいでしょう。
かなり時間があるなら、腹もちのよいご飯、おにぎりでしょうか。スープ、味噌汁もお勧めです。(♭ф)
Q.声を出してもローソクの灯が揺られないようにするべきでしょうか。
A.ローソクの灯を揺らさないというのは、息をすべて声にして、無駄に出さない、つまり、効率よく共鳴するということのたとえです。声は息で出すのだから、全く息が出ないことはありえませんが、その息をコントロールすることにより、効率よくひびく声にすることはできます。最少の息で最大の響きを得るための技法として伝えられたのでしょう。声楽でも、ちり紙をたらして揺らさないなどというやり方をみたことがあります。日本の演歌や民謡の一部では、実際にやる人もいたようですが。
しかし、これができなくとも、困ることはありません。小さな声を最大限にひびかして歌う歌い方もあるというだけで、歌い方にもいろいろとあるわけです。
ポピュラーでは、息を吐きまくって歌っている人も多いです。何よりも、深い息をしっかりと吐くことさえできないのに、こんなに絞り込んだ使い方をしようとしても、あまり意味はありません。全身がきちんと使えず、深い息もなく、声と体とも結びついていないのに、こんなトレーニングは10年早いといえます。(♭ф)
Q.のどから血を出すほど鍛えると、のどはよくなるのでしょうか。
A.初期の歌舞伎は、京都の四条河原で上演されましたが、そこには反響物がなかったので、声自体を強く丈夫にする鍛錬がなされました。のどから血が出るまで練習したとか、滝に向って声を張り上げたとかいわれます。
こういうやり方は、発声の原理から考えると、あまりにハイリスクだからです。鍛えられるかということについては、理論とか科学だけでなく、現実にそれを成し遂げた人がいるのですから、そのプロセスを検証する必要もあります。実践して成功した人も少なからずいるからです。しかし、失敗した人もいると思われるし、あなたがやれば必ずうまくいくということはありません。ヴォイストレーナーの立場では、勧められません。(♭ф)
Q.マジックヴォイスで、なぜ声は変わるのですか。
A.吸って話すと、変わった声になるマジックヴォイスには、ヘリウムガスが入っています。ヘリウムガスは、空気より密度が小さく、軽いので動かしやすく、ダイビング用ボンベの中では音の速度は空中の速度より三倍も速くなります。
ヘリウムガスは、空に舞いあがる風船に使われています。そのため、空気にヘリウムを混ぜるとヘリウムが多いほど音速は速くなり、一定の波長の音は周波数が増えるのです。
声は、声帯から発せられた音が、声帯から喉までの声道で共鳴して聞こえます。このとき、そこに普通の空気ではなく、ヘリウムを吸いこんでいると、声帯で発せられた音の伝わる速度はふつうの状態より速くなり、共鳴する回数は、多くなります。もちろん、声帯には異常はありません。ちょうどミッキーマウスのような高い声に聞こえ、これを、ヘリウム・ヴォイスといいます。
「マジックボイス」は商品名です。「ダックスボイス」「ダワウグアウボイス」という商品もあったようです。中に詰まっている気体は、ヘリウムと酸素です。(普通の空気は4:1で窒素:酸素ですが、窒素は血中に溶け込むなど、圧力が変わると人体に危険なので、ダイバーなどにもヘリウムが使われます)(♭ф)
Q.声はどのようにして伝わるのですか。
A.音波というのは、波動だから、水面の波と考えるとわかりやすいでしょう(波は進行方向に直角に振れるので横波であるが、波動としては同じ)。棒を水面にあてがって規則的に上下すると、水面の上下動が広がっていくでしょう。この波動は、発生源からどの方向にも等しい速度で伝わるから、水面には等間隔の同心円ができます。この揺れの高さが振幅(amplitude)です。
それは、持ち上がって最高水位に達したあと、ゼロとなり、更に下がって最低点になると、ゼロに戻ります。これで一周期(Period)です。
ここで一周期の波の長さが波動(wavelenght)であり、1秒間に何周期あるかを周波数(frequency または振動数)と言います。ついでに、SI系の単位はヘルツ(Hz)ですが、サイクル(cycle per second, cps)という単位も使われます。
周波数と波長の間には、
(周波数)×(波長)=波動の速度
f[Hz]・l[m]=v[m s]…………(3・1)
の関係があります。(♭ф)