A.いつも今日のトレーニングの目的から考える必要があります。来週、舞台があるなら、来週もっともよい状態で声が出せるようにするのが、今日行なうべきことです。いわば、調整に専念することです。本格的なトレーニングのためには、のどの状態が悪いのであれば、それを休めて回復させることから行なうことが必要です。とはいえ、いつも完全な回復を待っていては、トレーニングできるまでにも時間がかかります。トレーニングをベストの状態でできるときなど、そんなにはありません。舞台に出演中の場合は、判断はとても難しくなります。
のどが病気のときは、医者の指示に従って、待つべきです。しかし、それ以外は、望まれる完全な状態でなくとも、もっとも適確なトレーニングを行なうことにならざるをえません。トレーニングは必要悪なのです。調子の悪いときにも学べることはたくさんあります。