A.直接的な表現テクニックの話ではないのですが、演者本人の内面的な準備やエネルギーにも関わるものなので覚えておくといいと思います。
通常、詩や読み物、独白の台詞などは最後の2行に「言いたいこと」が凝縮されているといわれています。つまり終盤の文章のブロックが主題のメッセージとなっていることが多いのです。そして、導入とはその終盤に伝えるべく主題メッセージを予感させるような内容が記されていることが多いのです。まずそのことを理解してください。
そして皆さんに試していただきたいのは、終盤の主題メッセージをしっかり体感してから導入の歌唱なり、朗読をしてみてください。例えば、導入に強い感情や主張のない歌詞、メロディで始まり、ラストにダイナミックなメロディや強い感情やメッセージを要する歌詞となっている構成の楽曲があったとします。その場合でも、歌う前に一度クライマックスのラストを歌いきった後と同じくらいの精神状況に満たしてあげるのです。
例えば楽曲を歌い終わり完全燃焼したその精神状況を断ち切ることなく、もう一度すぐに頭から歌い始めるのです。結果として、これから歌い喋ろうとするその楽曲のメッセージや楽曲曲全体のエネルギーを包括させつつ、存在感のあるいい導入を語り歌うことができるはずです。導入時がラスト時と内容も曲調も全く異なっていても、必ず自然と対応できるはずなのでご心配しないでください。導入時には、ラストのクライマックスを予感させるエネルギーや語る意識が必要なのです。意外と効果あります。お試しください。
(♭Д)