A. 体も喉も呼吸も声も、すべて力を抜いてリラックスして声を出すことが、一番の近道でしょうか。
大きく深呼吸を数回した後に、声を出してみたり、口を大きく動かしながら「アー・エー・イー・オー・ウー」と、数回繰り返してから、楽に声を出すなど、いろいろと方法は考えられそうですが、身体中をしっかりとリラックスさせるストレッチに1時間ほど取り組んでから、声を出してみることは、お奨めです。
ストレッチの方法は何種類かありますが、反動を付けたり、力を入れたり、動き回ったりする方法ではなく、目的の筋肉を40秒以上~2分未満程度、無理なく伸ばしてキープする方法で、上肢・下肢、股関節、腰回り、腹回り、胸、背中、肩、腕、首と、大きな筋肉から比較的小さな筋肉まで、まんべんなくストレッチをします。時間はかなりかかりますが(しっかり取り組むと、1時間程度はあっというまに過ぎます)、体中の筋肉がかなり脱力され、軽い瞑想状態にも近いような、穏やかな状態になります。あるいは、そのような状態をめざして取り組むといったほうがよいかもしれません。
このような状態で軽く声を出してみると、無理なく楽な声が出せるでしょう。こうして、楽な声を出す経験を、何度も繰り返していくと、充分なストレッチで身体中をほぐさなくても、それに近い声が比較的出しやすくなっていくでしょう。(♭Ξ)
A. まずはたくさん呼吸の訓練をしましょう。これまでの経験上、声に問題がある方または悩んでいる方の多くは息の力が弱いか、歌っても呼吸せずに我慢大会のようになっている方が多いです。雑でいいです。腹式呼吸でなくてもいいので、まずはたくさんの息をすって吐きましょう。また格好いい声、立派な声を無意識に出すかたには鼻声になっていたり胸に力が入りやすい方が多いので、鼻をつまんで鼻に息がはいらないようにして口で息を吸うのもひとつの方法です。鼻に息が入って鼻声になると自分には大きく立派に聞こえるのですが、それはあくまでも自分の中に響いていて外には不鮮明にきこえることガ多いので注意してください。自然に出せない人の多くは舌根に力が入ったり肩が上がりやすい方も多いのでトレーナーや第三者の目と耳があったほうがいいと思います。(♭Σ)
A. 格好いい声、立派な声を出そうとすることは決して悪いことではないと思います。歌を勉強している方なら誰しも、そういった声に憧れるため最初は真似から入ってもまったく問題ありません。質問してくださった方がどういった
家庭環境や、年齢がわからないため、その点については的確なアドバイスはできませんが、資質については気にしなくてよいと思います。こうなりたい、こういう声が出したい、というイメージが強ければ、すぐには無理でも努力すれば理想に近づくことができます。
私の周りにも、立派な声を持っていても歌うことへの意欲がなく才能を生かしていない方が何人もいます。「継続は力なり」という言葉がありますが、毎日少しずつでも練習していけば、普通に声が出せるようになるし、普通以上の声になれるかもしれません。
練習方法は、トレーナーのアドバイスを信じて、注意されたことや練習方法は言われたとおりに素直にまずはやってみる。その上で自分にあうものあわないものを見極めてトレーナーの言うことを取り入れていくというスタンスがよいと思います。(♯Ω)
A. 普通な声とは、その人が本来持っている自然な声と仮定して考えていこうと思います。普通に声を出すと言う風に考えると、あまりにも曖昧で余計わからなくなる人が多いのではないでしょうか。
たしかに、時代や家庭環境など環境が占めている割合は少なからずはあるでしょうが、声を出すことはとても動物的で本能的な行動なので、誰にでもできうる事だと思います。現代の日常生活の中で、大きな声を出すことも少ないでしょうから、大半の方は本来持っている声を、あまり使っていないので、しっかり身体を使って声を出す動作を忘れてしまっているのではないかと思います。ですから、まずはしっかり笑う練習をしてみたらどうでしょうか?!
笑う時は、横隔膜の辺りがとても自然に反応します。いろんな方を見てきましたが、どの方も笑う時は少なからずとも身体が反応しています。その時の身体の反応を自分自身で気づくことができると、シメたものです。その反応したところを、より意識的に動かすことができるようになると、自然に声が出てきます。声が出てきたら、次は声を響かせるポイントを学んでいけばよいと考えます。(♯Δ)
A. 身体が少しずつ反応して動くようになり、声が少しずつでも自分が楽に声が出せるようになったら、次は声を響かせるポイントを探していきましょう。身体のどの部分が一番響くのか?それは、骨です。骨の中でも、一番大きな骨といえば頭蓋骨です。ですから鼻腔や顔面の筋肉、首、顎の辺りの筋肉をフリーにして響かせていかなければいけません。そのためには、まず力みをとる。力みがあると、筋肉が硬直してしまうので、響かせる骨や鼻腔、口腔などのまわりの筋肉が締まってしまい、楽に呼吸ができません。でも、リラックスを頭で考えても、なかなかよい結果にはなりませんので、オートマチックに身体が機能するような練習方法が大切になってきます。皆さんが勉強しているハミングやリップロール、巻き舌など誰もがわかりやすく効果的な練習方法を取り入れましょう。それから、ま行やが行など、鼻腔の辺りを響かせるのに意識しやすい子音を使ってのスケールでの発声練習もお勧めです。(♯Δ)
A. それは「格好いい声、立派な声」が、あなたにとって無意識のうちに求めていた声だったから、という可能性はあるかもしれません。家庭だけではなく、家庭の外をも含めた(仕事場などの)生活環境の中で、あなたよりも「格好いい声、立派な声」が「よい声」だという固定概念ができあがるという場合もあると思います。そしてまた「格好いい声、立派な声」の基準も人それぞれです。ある人には大きな声が立派な声、ある人には低くて響く声が立派な声など、感じ方は人それぞれですし、絶対的な基準はないと思います。
ですので、まずは声への影響についてあまり深刻に考え過ぎないことです。また、普通に声を出せる(作り込んでいない、癖のない声)、という感覚も正解はひとつではありません。発声をしていく中で、いつもとは違う声や違う体感を少しずつ受け入れてみましょう。そしてさらに、「普通に声を出せる」と仰る部分は、ぜひ「普通」ではなく「新しい感覚」「新鮮な感覚」と捉えて進めていってください。(♯α)
A. 声の出し方が個人的な環境に起因しているというのは当たっているのかもしれません。内面的なことも含めて自身を振り返って客観視することは表現者にとって大切なことだと思います。心身ともにニュートラルな状態とは???をテーマに日々を過ごすことをお薦めします。
さて「普通に声を出す」に関してですが、まず知っておいて頂きたいのは、自分の声を自分の耳で確認しないことです。貴方のようなタイプの場合、喉でなっている音を頼りに発声しがちでして、結果的に喉周りに過剰な力みが入って自然ではない声となりやすいのです。
個人的に聞かせていただかないと解消方法は授けられませんが、普段の話し声や、うなずいたときの声、無防備にため息をついたときの声など意識せずに出したときの発声のほうが自然な方は多いです。発声練習となると力み出したり、声のボリュームを上げると力み出す方はほとんどです。
まずは先生のアドバイスをもとに地道にニュートラルな声帯振動を探してください。共鳴や腹式呼吸はその次ですね。(♭Д)
A. 普段話しているときのように発声するのが一番です。
改めて、声を出そう、歌おうとすると、どこかに力が入ってしまうということはよくあります。
正しいフォームで立っていること。肩や胸の力を抜き、楽な姿勢で、しかし弛緩するのではなく、頭の上から操り人形のように吊られているような状態で立ちます。
そして、腹式呼吸ができていること。顎や舌の力を抜き、スーッと長く均等に息が吐けていること。息がなくなったら無理に吸うのではなく、自然に吸えていることを意識すること。
次に、楽に「ンー」とハミングをしてみます。喉などに引っ掛かりがないことを確認し、そのハミングのラインから口を開いて「マ」で発声してみます。
これらのことが身につけば、力の抜けた、変に作られた声ではない本来持っている声で発声することができるでしょう。持っている楽器(声帯)以上の音色は決して出ないのです。無理をすればダメージを受けてしまいます。
声を張ること、格好つけることをせずに、楽に出せるよう、日頃から基礎訓練を心がけましょう。 (♯Å)
A. 声は気持ちと大きく関わりがあります。気持ちは環境から大きく影響を受けます。環境は変えることが難しい場合もありますが、気の持ち方はご自身の努力で変えることができると思います。
格好いい声、立派な声を求める事は決して悪いことではありません。ただ、その前に素の声(ひとりひとりが持っているナチュラルな声)を確立させる事は大切です。人は強く思っていることは無意識でも行動に出てしまいます。健在意識では考えていなくても、潜在意識が働いて知らず知らずの内に力んでしまったりします。
時に話し声さえも作っている声の方がいらっしゃいます(ご本人や周りの方さえも元々の声と思っていらっしゃるようですが・・・)。
思わず出てしまった独り言の声や、あくびの発声 は本来の声です。その声を意識して何度も繰り返して出して、まず自分の素の声を把握しましょう。その上でしっかり呼吸をし、よい姿勢で発声するようにすると本来の持ち声を生かしたよい声が出てくると思います。(♯μ)
A. 誰もが「あんな声になったらいいな」、「こんな声で歌えたらいいな」などという憧れを抱くでしょうが、声というものは、そもそも、ねらっても出ないものなのです。声マネなどをすれば、ある程度、その人っぽい声になるでしょうけれども、自分自身の本当の声という部分から大きくかけ離れていきます。つまり、本人にとっては「不自然で、無理をした状態」になっているということです。この状態を続けていても、声が改善されることはなく、却って出しにくい方向に進んでしまうと思います。
日本人の声というものは欧米人に比べ、貧弱であるのは言うまでもありません。また、ここ数十年のうちに、声そのものを使わないで済む文化が非常に発達しました。マイク、携帯電話、パソコン等々。「近所迷惑になるから声を出すことは悪だ」という意見まであります。それほど、日本人の声のレベルは危機的に落ちています。
まずは、声そのものや、息の扱いが不十分であることを認識するところから始めてみてはいかがでしょうか。また、他人の声を聴く場合、「声」そのものを聴き、マネをするのではなく、「歌い方や表現などの観点でひとつの参考にする」という程度にするほうがよいと思います。響きをねらったり、音を追うようにねらったりということが、声の通り道を邪魔しているケースが散見されます。音程や響きの調整は、声そのものがある程度育ってから意識し始めることがふさわしいと、私は思います。立派な声にしていくためには、まずは自分の声の通り道をしっかり確保することを心がけましょう。(♭Я)
A. 声はその人となりを表すものだなあと、つくづく思います。生活スタイルや時代とともに変容してきたと思いますし、農業主流の時代から、現代のような生活スタイルで身体の使い方の変化と共に声が変わってきたという側面もあると思います。もちろん国によっても相当異なるでしょう。この国の言葉はもごもご聞こえる、この国はパキパキ聞こえるなど、印象の違いを感じられたりするのではないでしょうか。職業によっても、変わるのではないでしょうか?歌手、アナウンサーのみならず、スポーツ選手にもいい声の方はよく見受けられますし、教師の方も、なんとしてでも伝えようという意思のこもった声をしてらっしゃる方をよくお見かけします(声にざらつきがあるのですが、大きな声だったりします)。
また相手がどのような人かによっても、あなたの話し方を変えているかもしれませんし、自分の精神状態は如実に声に反映されていることと思います。「普通に」声を出したいとのことですが、これまでは「格好いい声、立派な声」をだそうとして、なにか無理をしていたという自覚がおありなのでしょうか?もし、首や肩、胸の周りに力みを生じさせて声を出そうとしていたのなら、まず力を入れずに声を出す訓練が必要ですね。前屈しながら、もしくは寝ながら声を出してみれば、一番リラックスした状態で声が出てくると思います。しかし、全く力を使わないということではありません。お腹の底、おへそのした辺りは下方向に固定するかのように意識し、腰のほうも下に引っ張るかのような安定感は、声を支えるのに非常に役に立つと思います。まずは力みはなく、しかし安定する声を出していかれるように心がけてみてはいかがでしょうか?(♯β)
A. 声を出しているときの自分の状態(筋肉、気持ち、痛み、違和感など)に意識を向けてみることが大切なのではと思います。その上で、格好いい声、立派な声を出そうとしているときの、自分の状態はどんなものでしょうか。
何を思っているのか?身体はどんな状態か?まずは、自分の状態を意識的に把握してみたらいかがでしょうか。
個人的な資質とはどんなことを指すか、または家庭環境が原因であるとしたら、具体的に何が影響しているのか、
大変な作業ですが、一度意識的に把握されると楽になります。
その上で、声を出すときに何を目的にするのか、何を表現したいのか考えてみるのがよいのではないでしょうか。
繊細な感情を表現したいのか、仕事などでてきぱきと伝達したいのか、強烈な喜怒哀楽を表現するのか。
「何を表現するか」を考えたときに、そのときに最も必要な自然な「普通の」声になると思います。(♯ё)