発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.声楽とオペラは、どう違うのですか。

.一般的に声楽とは、クラシック音楽の中で歌われるジャンルのことですが、オペラはその中の一部です。オペラ以外に何があるかというと、誰でも知っているベートーヴェンの第九交響曲や、ハレルヤコーラスが有名なオラトリオ「メサイア」のように、オーケストラの伴奏で歌われる曲のほかに、ピアノ伴奏などで歌う、シューベルトの「冬の旅」や、シューマンの「詩人の恋」といった、歌曲があります。

オペラは、通常大きなホールで、演劇的な舞台装置の中で歌うので、第九やメサイアなどのコンサートとは違い、音響的にベストではないため(声が響きにくく)、オペラ歌手は、ある程度の声量がないと演奏が成り立ちません。

一方、歌曲は、小さなホールや、サロンなどでも、ピアノが一台あれば演奏が成り立つので、オペラに比べると大きな声量は要求されません。

ですから、一口に声楽家といっても、オペラ歌手かコンサート歌手(宗教曲や歌曲などを専門とする)かによって、発声の指向が違ってきます。オペラ歌手は、どうしてもまず声量を重視しなければなりませんが、コンサート歌手は、声量をあまり気にせず、響きや声の美しさにポイントを置きがちになります。(♭Ξ)