A.ときどき、コーラスなどをなさっているアマチュアの人に質問を受けます。
「喉の力を抜くことですか」「呼吸のトレーニングをがんばればよいでしょうか」「お腹の使い方のコツをつかむのが一番でしょうか」
コーラス指導の中で、私が口にしたフレーズのどれが、ご本人にとって一番大切か、確認したいようです。私も、その人の発声の現状がつかめる範囲で、必死に考えて答えるのですが、もっと簡単で、もっと重要なことがあることに、いまさらながら、ここ数年気づかされます。
同じ程度の人のレッスンをしていても、上達スピードに明らかに差が出るのは、自主トレの頻度と量です。どんなに呑み込みのよい人でも、自主トレが少ないと、なかなか伸びてはいきません。また、せっかく伸びても、自主トレの頻度が極端に減ると、意外なほど早く、実力が落ちてしまいます。一方で、少し呑み込みが悪くても、頻繁に自主トレに取り組んでいる人は、どんなに伸びは遅くても、着実に上達していくのです。「なるべく頻繁に定期的に、自主トレを実施すること。」これが、もっとも簡単でもっとも大切な上達の秘訣ですが、実行し続けるのは、なかなか難しいことです。(♭Ξ)