A.レッスンで口の形などを指摘されると、実際に歌うときには、表情はどうなってしまうのだろうと気になる人がいるようです。表現を表情優先で行ってしまうと、声そのものが出しやすい部分の準備ができない状態のままになってしまうことが少なくありません。つまり、ごまかしの状態になっているといっても過言ではないと思います。そのように取り繕っていたものを一度壊して作り変える作業として、口の形などの再形成が必要になってきます。建物でいうと、古くなってきた部分の修繕として、とりあえず化粧板を張り付けただけで放置されていた部分が、内部の素材が劣化して壁そのものがもろくなってしまったので、大規模な修繕工事を行うというようなものでしょうか。臭いものに蓋をしても、根本的な解決には至りません。全体的な修復工事を行うためには、ある程度の犠牲を払う必要も出てきます。ただし、慣れてくれば、新たに余裕を生み出すことも可能だと思います。見てくれをとるのか、本質をとるのか。そこがカギだと思います。(♭Я)