発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.声門閉鎖について教えてください。

A.声門閉鎖とは、左右の声帯がしっかり閉じていることを指しています。声が出る=両サイドの声帯が中央に寄り、閉じて振動するということなのですが、この状態をつくるための筋肉が弱くトレーニングがされていなければ、しっかり声帯が閉じられず、息漏れした音になってしまいます。音声の分量が少ない音は、息が混ざったような音に聞こえ、覇気がなく、人に届きづらいです。声をプロフェッショナルとして使っていきたい人は、この部分を鍛えていくことをおすすめします。

とはいえ、日本人の声は声門閉鎖がなっていない人がほとんどのように感じます。それは言語としての特性からくるものではないかと思います。 テレビやラジオ、もしくは近くにイタリア人がいたらイタリア語の音声を注意深く聞いてみてください。母音がビシッと閉じた声帯で話されるのがわかると思います。「e」も、喉を下方向に下げて、べたっという感じで、息漏れをさせずに、声帯と声帯をしっかり閉じて発音しています。無気音の感覚に似ているかもしれません。

しかし日本人はここまではっきりと息を混ぜないでしゃべる習慣がないため、声がビシッとしていない、声門閉鎖の弱い音声で話しているようです。