発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q320.合唱団で声域があわないのですが。

他の人と全く声の域が違う人が、その中で心地よく声を出すということは、難しいことです。原調、あるいは一つのキィで歌うことが必修のような、合唱やミュージカルなどでは大きな問題となります。向こうのトップレベルの人たちがやっているところと同じことをやらせるのですから、相当に無茶なのです。最終的にそういう形でやるなら、自分と合っていないものをやる分、自分の中で無理にでもコントロールして、そこに沿ってやるしかないと思います。

日本人で1オクターブ半から2オクターブを自在に扱えるということは難しい。いつまで経っても、曲に関してはそういう問題が残ります。日本人の場合は、大体高いところは柔らかく抜いて歌うしかできません。そのため、向こうのゴスペルのような迫力、牧師さんの説教しているような歌い方にさえ、かないません。

日本の合唱団など、みんなで合わせてやる歌に関して、特に日本の指導者というのは、どちらかというと声を押さえて周りと揃える方法をとっています。

 映画「天使にラブソングを」あたりから、日本でもゴスペルがブームになりました。本来はモザイク状にいろんな声が出てくるのが理想的なのですが、日本人の場合は、そこまで一人一人の個人のパワーがないので、どうしても合唱団みたいに形を整えていく方向にもっていきます。

 その中にいると、自由な声というのは出にくいのではないでしょうか。逆にそこに個性的な人が入って思いっきり歌っていたら、目立って合わなくなっていくでしょう。それ以上のスターがその中にいたら別ですが、それは難しいことのようです。