A.今年の冬は例年になく寒い日が多い上に雨も降らないので乾燥続きという歌い手にとってはとても辛い気候になってしまいました。
私の家には加湿器を取り付けていますが主に寝るときに加湿器を利用しています。(声の調子が悪いときは食事中やテレビを見ているときにもつけます)この加湿器があるのとないのとでは声が違うのでとても重宝しています。
研究所でレッスンしていた時のことです。先に加湿器をつけていたのですがそのときは湿度が50%だったのに暖房を入れるとどんどん湿度が下がっていくのです。湿度は「高め」風量は「強」にして連続でだしていても下がっていきます。どんなに加湿しても暖房をいれると乾燥するということを思い知った瞬間でした。
先日テレビ番組で渋谷の平均湿度は25%という数値が出ていました。これは砂漠とほとんど変わらないそうです。その中で移動し生活しているのですから声も出し辛くなるはずです。
公共の施設でのオペラの稽古に行くと、ある方が霧吹きで部屋中に水を撒布していました。理由を尋ねると少しでも乾燥を防ぎたいといっていらっしゃいました。稽古場などは防音の関係で響かない場所も多く、乾燥しているとなると歌い手にとってはきついものがあります。またその中で多くの人間が歌ったり指示を出したりしているのですから病気になりやすいことこの上ありません。冬というと寒さ対策のイメージがありますがこうも乾燥が凄いと乾燥対策まで行なわなければならずとても大変です。この先花粉もやってくるかと思うと気がめいる思いですが職業病だと思い対策をねるしかありません。