A.一般にパッサージョと呼ばれる換声点は、声種によって決められているとはいえ半音位の個人差があり、コロラトゥーラ・ソプラノなどは、極端な例としてパッサージョが2点イの場合も見受けられます。
また女声の場合、高音域を実声区とし低音域を地声と呼ぶ一般的な名称もありますが、これはパッサージョの他に疑似パッサージョと呼ばれる換声点が存在するために起ったもので、女声の地声の上限が1点ロ~2点ハ辺りを過ぎると声が裏返ってしまう事によるものであろうと推測されます。
わが国では個人の音域によって声種を決める場合がほとんどだといえますが、そもそも声種というものはパッサージョによって決められるべきものだというのがベルカントの考え方であり、特にイタリアオペラなどはこのような声種の考え方が定着していると云えるでしょう。というのも高音域は技術的な修練を積むことによって見違えるほど音域は変化する事によるものと考えられます。(♭∀)