発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3724.発声のときの母音とそれを使う理由(8)

A.私自身が発声練習でよく使うのはイの母音です。これは一番狭い母音ですが、鼻腔の共鳴を感じやすい母音だと思います。ただ、不自然に引っ張ったり、深く作ってしまうのはよくありません。話すように、たとえば「いいね」というときの「イ」でよいのです。ここからエの母音や、アの母音に広げていきます。時々、アの母音は難しいと言われますが、イやエの母音に比べ奥に入ったり深くなってしまいやすく、響きが落ちやすいからかもしれません。アで発声するのが難しければ、イーアで移行させて練習するのも有効です。大事なのは違う母音同士を滑らかに移行させることです。これはレガート唱法の練習になります。母音を滑らかに移行させることができると、歌詞で歌うときにも明瞭に歌うことができます。歌詞を明瞭に歌おうとしすぎるあまりに一つ一つの音に力を入れがちですが、これでは息が停滞してしまい、発声にも悪影響です。曲を歌っていて、何か詰まってしまう、歌いにくいというときには歌詞を母音だけで歌ってみるのも良い練習になると思います。(♯Λ)