発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3843.地声と裏声、ファルセット、頭声の区別の仕方。(変声区についての考え方)(8)

A.私自身、裏声とファルセット、頭声の区別については正直厳密なことは答えることができません。その区別の仕方も統一されていないようです。低声から高声に向かってあげていくときに、よく「声がひっくり返る」という状況がありますが、ひっくり返る前が地声、ひっくり返った後が裏声、ファルセットと呼ばれる声です。ではそのときに喉ではどういうことが起こっているのでしょうか。まず我々は声域を変化させるために、声帯を合わせる強さを変化させたり声帯を伸ばしたりしてコントロールします。低音を発するときに声帯を広い範囲でゆっくりと大きく振動させています。逆に高い音は声帯を合わせ短く使い小さな範囲でより速い振動をさせているのです。ところが声帯を合わせる力が足りなくなった時点で緩んでしまい、声門が合わさらない状態の発声することとなります。それによって「抜けたような声」になってしまうのです。これが裏声です。頭声ですが、地声や裏声の区分の仕方とはまた別な概念で、これは胸声と対で響かせる位置による区別だと思います。その名前の通り胸声は胸に響かせる声、頭声は頭(鼻腔、副鼻腔)に共鳴させる声です。(♯Λ)