A.腹式呼吸、歌をやっている皆さんの間ではあまりに当たり前に飛び交っているこのことばですが、今まで出会った生徒さんで、これをマスターできていた方は皆無に等しいです。
また数年、歌を勉強してきたにもかかわらず、腹式呼吸のやり方をきちんと把握できていない方はとても多く、ことばばかりで、その本質が日本で浸透していないことをひしひしと感じます。
また、ただ単にお腹に力を入れてみるツッパリなんちゃって腹式呼吸もたまに目にします。
正しい身体の使い方をわかっていなければ、小さな声帯筋や首周りの筋肉に力が集中し、喉が絞まったようになったり、酷い時はポリープ、結節などの原因になります。
身体の使い方について文章で説明するのは困難なため、必ず信頼の置けるトレーナーに見てもらうことをお勧めしますが、まず、大体の方の場合、呼吸が胸、もしくは胃の辺りでまでで行なわれていることがほとんどです。
腹式呼吸では、丹田(お臍の10センチ下、女性は子宮の辺り)を使います。
最初は、とにかくお腹を柔らかく動かして、この下腹部を自由に使えることを学んでいきましょう。
そしてだんだんと、呼吸を吸う時に丹田が膨らみ吐く時に凹ませるという基本を身体になじませていきます。
この基本的な練習は仰向けになって行なうことをお勧めします。
胸や胃の辺りが一番に膨らむのではなく丹田が一番先に膨らむようにします。声を出すときには丹田にわずかに負荷をかけ息をコントロールするのです。
この基本さえきちんとできていれば、どんな曲だって歌えるようになります。逆にいえば、これがわかっていなければ、日々一生懸命練習を繰り返しても、思ったような効果が出ないかもしれません。(♯Ж)