発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4388.楽譜は、音程中心主義の産物なのでしょうか。

.楽譜は、音の高さと長さを中心に書かれています。上の位置が高い音、下が低い音です。長さは音符などで表します。

私は、ヴォイストレーニングでは、表現のための働きかけの大きいところを大きく描きたいのですが、楽譜上では難しいことです。

声量というのは相対的なものであり、仮に何デシベルと記しても、解釈しだいで変わるので、表わせません。ところが、音の高さは基準がとれるし、音程を正していくことの必要性があるから、五線譜にはそれが表わされるのでしょう。リズムも最低限、わかるくらいに入っています。これは、これで便利なものです。

ところが、もっとも大切な音色、フレーズのやり方、表情、思想理念などは、楽譜のどこにも描かれていません。これは、その必要がなかったからでしょう。

声楽曲は、ある条件のもとで演奏されていたし、どう歌うのかは、昔のヴォーカリストは、実演を聞いて自分でわかっていたはずだからです。

ポピュラーでは、ヴォーカリストの解釈と創造によって全く異なるから、やはりこれには書けないということになります。楽譜は、解釈と創造を伴わなくては使えないということです。(♭θ)