発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4504.人がそれぞれに持っている本来の声の高さ(ピッチ)とはどういう意味か?☆

A.まず、一般的に男性と女性で声の高さは変わりますよね。音楽的に分かりやすく例えると、合唱では、色々なパートがあります。四部合唱の場合、女声はソプラノ・アルト、男声はテノール・バスに区分けされます。つまり、人はそれぞれ持っている音域が違うのです。
更に、声楽的に見ていくと、女声の特に「ソプラノ」という高い音域が出せる声部を見ても、コロラトゥーラ(コロコロ転がるようなソプラノ)、レッジェーロ(軽やかなソプラノ)、リリコ・レッジェーロ(リリコの中でも軽めなソプラノ)、リリコ(抒情的な表現ができる声のソプラノ)、リリコ・スピント(リリコよりも重く、強い声のソプラノ)、ドラマティコ(ソプラノの中で最も重く、メゾ・ソプラノに近い)と様々な種類があり、これは自分が選べるのではなく、「持っている声がどんな質であるか」ということで決まります。
つまり、「「音域がどこまで出るのか」、「声質(軽いのか重いのか、柔らかいのか強いのか)」は、人それぞれ異なるものなのだと思ってください。ソプラノと言われたからといって、全員同じ音域、声質になるということはありません。あくまでも各々の自然な発声状態でどこまでの音域が出るか、声質がどうなるかということなのです。
声楽の世界では、この「声質」によって合う曲というのが決まってきます。そして研鑽を積み、レパートリーになっていきます。
この時に、間違った選曲をしてしまうと、作品として成り立たないばかりではなく、喉に過度な負担が掛かり、喉の怪我にも繋がります。
まずは、自分の自然な状態の発声を磨いていきましょう。身体で支えられ、なおかつ良く響く声にしていくこと。この訓練を行っていくことで、自分の持っているいる声の「音域」、「声質」を知ることができるようになると思います。(♭Я)