発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4528.トレーナーの見解の違いをどう感じればよいですか。

A.ある生徒さんがトレーナーによって指導法が違うため悩んでいると相談してきました。その生徒さんは次のことを言われました。「目指す山は同じでだけど登り方が違うんだと解釈すればいいですか?」と。
私は悩みました。「そうです」と言いたいところなのですが、本音では違う意見をもっているからです。トレーナーは基本的に皆生徒をよくしようという意識は共通していると思うのですが、そのアプローチの仕方は全く違いますし求めているものも違うと思うからです。
自分の経験から言って声楽でさえ、声楽家が10人いたら10通りの発声論があります。育ってきた環境も、習った先生も、行っている仕事も違うからです。声楽という分野だけで言えばドイツリートを主に歌っている人と、イタリアオペラを主に歌っている人では発声論が違うことが多いですし、合唱が多い方とソリストが多い方ではまた違ってきますし、脇役が多い方と、主役が多い方では意識がちがってくるでしょう。
ただ結果論ですが、どんなやり方でもいい声で楽そうに歌ってくれればどのトレーナーもある一定の評価はすると思います。
発声論や見解は様々あると思いますがどんな人でも納得できる声を出していくことが重要だと思います。どの方法をチョイスするかもその人の実力なのかなと思います(♭Σ)