発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.トレーナーをやっています。何を言っているのかわからないと言われ、コミュニケーションに悩んでいます。

Q.トレーナーをやっています。何を言っているのかわからないと言われ、コミュニケーションに悩んでいます。

A.コミュニケーションとは、異質のなかに通じるものをみつける作業です。赤ちゃんと母親も何を言っているかわからないからうまくいっていないとはなりませんね。わからなくても受け止め、働きかけていればよいのです。あとは、言語力を磨くのに、これを読みましょう。

 

Q.諦めている生徒を伸ばすには。

 

A.夢を具体的に描くようにすること。そこで活躍できている人になりたいという思いを強化すること。自分もやりたいという思いを確認しつつ煽ることです。

 

Q.ヴォイストレーナーの一番の能力は何でしょうか。

 

A.私は、トレーナーの能力は、声よりも耳と言っています。あとは、相手の考えてきた目標をより大きな目標にできるとか、その人が目指す世界でやっていけるために足らないものを声はもちろん、すべて把握して、そのうち何を与えられるか示せる、また、相手にとって自分よりも教えるのにふさわしいトレーナーや専門家を紹介できるなどです。

 

 

Q.ヴォイストレーナーは、声をチェックするのにどこをみているのですか。

 

A.体の動きはもっともわかりやすいところです。そこで大切なのは、表面よりも内部の動き、呼吸をみます。呼吸がどう発声になって共鳴しているのかをみます。みえないものを自分の体と発声の感覚に置き換えて感じます。そこで不具合を感じたことを直すために注意したり、メニュで変化させ矯正します。

 

私は、ときに自分の体を捨てて、他の体にあてはめてみることもあります。すぐれたトレーナーやアーティストの体の感覚を借りることもあります。

 

Q.絶対にヴォイトレで間違えたくないので正しいトレーナーを教えてください。

 

A.間違い、正しいという区分自体がおかしいと思います。それでもというなら、大きなリターン、成果を期待しないこと、時間をたっぷりかけること。それが間違わない秘訣です。それと同時に、他の人がやれば間違いになるものを魅力にまで高めた人が一流というものだと、頭のどこかに入れておいてください。

 

 

 

Q.世界の一流のアーティストのヴォイストレーナーは、一流の手腕をもつのですか。

 

A.私もその何人かに会いましたが、技量はともかく、一流のアーティストが来るだけの何かがあるのは確かです。そのうちの一人は、アーティスト顔負けの、すばらしい声をしていました。ただし、一流のアーティストを育てたのとは違うと思うのです。一流のアーティストになりたいと言っても、誰かが教えて必ずなれるものではないでしょう。(海外のヴォイトレは、いくつか述べてきましたが、いつかまとめるつもりです。ここに長くいるプロの何人かも受けに行っているので、そういう感想も合わせます)

 

しかし、声の後進国の日本では、現実に私のところでは、歌唱力のあるプロについては、どのトレーナーがついても大丈夫です。アマチュアのなかでもどうにもならないような人をどう伸ばすのか、プロにまでするのかこそ、実力が問われます。

 

 

Q.うまくいったからといってトレーナーの名は出すなと言われました。

 

A.うまくいったとしたら本人の力です。トレーナーが何をアドバイスしようと大して変わらない人も多いのです。トレーナー歴を並べる人も多いのです。日本ではクラシックの音楽家などは権威づけに使います。そんなことを価値と思うから、にせベートーベンなどが出るのです。作品は独立して評価すべきです。場合によってはアーティストの名さえ外してもよいくらいです。本人が出した作品や舞台がすべてなのです。トレーナーの教えを消化していたら、それでよいのです。両親の名前を出さないのと同じことです。

 

 

 

Q.ヴォイストレーナーに向いている人、向いていない人は。

 

A.声に恵まれた人、最初から器用に声を使い分けられる人、歌のうまい人、そういう人は、必ずしも向いていません。なぜ歌手、役者、声優にならなかったのか、なれなかったのかをきちんと乗り越えてこないと、その人ほどに恵まれていない声や歌の人を育てるのは難しいと思います。向いているのは逆のパターン、不器用な人、声に恵まれなかった人で、かつ、それを克服したプロセスを把握している人の方でしょうか。

 

Q.なぜオペラ歌手のヴォイトレでないのに、声楽家と組んでいるのですか。

 

A.声楽は、歌い手の目的と達成の最低条件がほぼ定まっているからです。プロセスがある程度、一致するからです。しかも、そのプロセスを10年単位で長期にみることができます。時代や人種に関わらず、実績を上げてきた年月もあります。

 

声楽が一番いいとは言いませんが、本番で求められることに対応できる基準が定まっているので基礎が一致するなどです。ただし、声楽を教える人は必ずしも私の思う基礎(シンプル、ベストの音色)を満たしているわけではありません。

 

 

 

Q.ポップスの先生は、人によって、評価が違いませんか。

 

A.ポップスの先生には、くせをつけることだけでノウハウと考えているような人も、少なからずいます。歌ってきた先生も、歌っていない先生も、それぞれいろんなアンバランスがあります。