発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q5151.ことばより声の力の方が強いのでしょうか。

Q.ことばより声の力の方が強いのでしょうか。

A.私たちは、ときにことばを重視し、ことばでしか意味をやりとりできないように思いますが、そんなことはありません。映画やドラマの、愛を告白するシーンなどでは、あなたはその声の感じから、そこに本当の気持ちが入っているかで、直感的に見抜くことができるでしょう。もちろん、声に加えて、顔の表情やしぐさにも大きなヒントになります。ことばはごまかせても、声は案外とごまかせないものです。
現実のコミュニケーションは、ことばだけでなく、身ぶり表情に加え、ことばを乗せている声そのものの感じを使って行なわれています。ことばよりも、声の方がたくさんのことを伝えたり、印象に残しているといわれています。(♭ф)

Q.他の人のことばを、ことばの内容や意味以外から、どう判断するのでしょうか。

A.何かを言われたとき、その強さ、語感、声の高さ、鋭さなどから、どのくらいなのかを考えるでしょう。友人が、「絶対に―」と言ったとき、どのくらい絶対なのかは、そこに込められた思いをことばでなく、声から判断しているのです。本当の気持ちは、ことばでなく声に出ているからです。(♭ф)

Q.嘘は声でわかるのですか。

A.嘘は声でばれることが多いといわれます。あなたが小さい頃に嘘をついたら、100パーセント、周りの人に見破られませんでしたか。どうしてバレるのか、わかりましたか。「うまくことばが使えなかった」「しゃべっているうちに矛盾してきた」「おかしなことを言ってしまった」など、それは、ことばの力のないせいのように思えます。
実は話している言葉の内容ではなく、しかし、これも大半は、しゃべり方や声のトーン、テンポ、表情などでバレていたのです。いつも一緒にいる人なら、声の微妙な変化一つで、「あれ、おかしい」「いつもと違う」「何か隠しているぞ」とわかるのです。(♭ф)
 
Q.声でばれるのは、どういうケースですか。

A.ことばや態度でどんなに気をつけていても、ちょっとした声のトーンやニュアンスで相手に察されてしまうこともあります。嘘は、表情にも出ます。顔の表情や声の表情に出てしまうのです。嘘をついたときの声の特徴をあげておきましょう。
小さな嘘をついているときは、声が大きく、高くなることが多く、話と同じく誇張される感じが伝わります。(♭ф)
 
Q.嘘と声との関連データはありますか。

A.ある実験(NHKサイエンス・スペシャル「心と脳」)では、被験者にウソを言わせたとき、声の高さは3~6ヘルツ、高くなっていました。もう少し大きな嘘になると逆に声は小さく低くなるようです。皆の前で嘘をつきにくいのは、このような声を使えないためかもしれません。(♭ф)

Q.男性の嘘を女性は声で見抜くって本当ですか。

A.人は緊張すると声は高くなり、早口になります。特に男性は、ことばをつないで論旨を一貫させ、つじつまを合わせたら逃れられると思うのですが、女性はそんなところで判断していません。ことばレベルだけで考える男性と、声のトーンやしぐさなど、過去の経験までトータルの情報すべてで判断する女性とでは、土台、勝負にならないのです。(♭ф)

Q.なぜ女性の方が声に鋭いのですか。

A.どちらかというと、こういった解読は、女性の得意とするところのようです。昔は、女性の方が男性をたてていたし、感性的にパッと見抜く力が必要だったからでしょうか。男女の脳の違いもありそうです。
女性の脳は左脳、右脳を結ぶ脳梁が太く、右脳で感じ、その情報を左脳にすぐに送って、確信します。
それに対し、男性は左脳と右脳の結びつきが弱いし、テストステロンというホルモンを分泌します。つまり、ハイ状態にしてしまうのです。そこで思い込んでしまい、擬似恋愛、身勝手な勘違いを起こしやすいそうです。
女性が現実的、打算的であるといわれ、男性はロマンチストといわれてきたのには、こういう面もあったのでしょう。(♭ф)

Q.声帯ポリープができるとどうなるのですか。

A.声帯は、気管の上端にある左右一枚ずつの弁で、声を出すときには二枚が開閉をくりかえしながら空気の流量を調節しています。閉じたときに、隙間があると空気が漏れてしわがれ声やガラガラした声になるのです。
この原因はいろいろありますが、その一つは、声帯にできた「できもの」です。代表的なのが、声帯ポリープです。これは発声を変えればなおることも多いし、これはポリープを切ることになってもさほど難しくありません。
昔、歌手の和田アキ子さんがこれを手術で取り除いたのをご記憶の方も多いでしょう。最近では、桑田佳祐さんもこのポリープ手術を行いました。(♭ф)

Q.声帯マヒとは何ですか。

A.声帯の弁を調節する片方の神経がマヒしてしまって、開閉がうまくできなくなってしまうことがあります。原因はウィルスのによるほかに、肺ガンとか、食道ガンなどで神経が圧迫されるために起こることがあります。また外傷でも起こり、ときには甲状腺手術のあとで起きることもあります。いずれにしても弁がきちんと閉じることができなくなるので、声が悪くなるわけです。(これは、マヒした声帯の近くに、シリコンやテフロンを注入してふくらませ、反対側の弁とぴったりとくっつける手術が主流でした)(♭ф)
 
Q.声を出せば、力が出るのですか。

A.スポーツなどでは、よく「もっと声出していこう」などといわれます。声援といわれるように、声での応援は、選手にその力をいかんなく発揮させる原動力になるようです。でも、声を出すこと自体でパワーは出るのでしょうか。
プレーヤーが大きく声を出す競技、テニス、剣道、空手などもありますが、声を出せないものもあります。卓球の福原愛ちゃんの「ダァー」は、チャームポイントになりました。何といっているのか、なぜいうのかを聞くのは、タブーらしいです。でも、声で威圧感を与えるのは確かです。動物でも吠えますね。 つまり、声を出すことによって、元気が出ることになるのです。そして、声は精神や心と結びつけて考えられることが多いです。(♭ф)