発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q5171.日本語は、第一音を大切にするのですか。

Q.日本語は、第一音を大切にするのですか。

A.はい。とても一音目を大切にしています。そのため、どうしても高めに入ります。日本語アクセントには、高低、低高低はあっても、低高や低低高はないからです。つまり、第一音を基準に言葉が進むにつれ、音が少しずつ下がるため、高めに入らないと全体が低くこもってしまうのです。
共通語のアクセントは東京のアクセントを元にしているので、公共の場では東京のアクセントが求められます。アクセントを正しく使える訓練をしましょう。(♭ё)

Q.イントネーションとは何ですか。

A.同じ話し言葉でも、文章の終わりを上げるのと下げるのとでは意味が変わってきます。声の調子が上がるときを上昇調、下がるときを下降調、平坦なものを平調と呼びます。上げれば疑問調に、下げれば断定や確認調になります。この言葉の音の高さの変化をイントネーションといいます。(♭ё)

Q.イントネーションの役割は

A.イントネーションを使い分けることで、ことばはより多様な表情を持ちます。
たとえば、イントネーションを活用することで、言葉を省略したり、その言葉以外にも多くの意味を持たせたりできます。
イントネーションを絡めて言葉をつくることで、問いかけ、告知、断定、念押しなどのニュアンスも表現できます。(♭ё)
 
Q.イントネーションと声との関係は。

A.イントネーションが言葉に付与する意味合いを感じられるように、声を使えるようになることがとても大切です。
感じた心を込めることで、言葉の一つひとつに情感が生まれ、味わい深い表現ができるようなります。その表現したいニュアンスの声の変化を感覚的に楽しんでいくことが、早く上達していくコツです。
(♭ё)

Q.声量と伝わり度は比例しますか。

A.声量のある人を見ると、その人に余裕すら感じます。そのため、自分も声量さえあればと思い、声を大きくしようと試みて、失敗してしまった人も多いかと思います。
しかし、実は声量の豊かさは必ずしも人へ与える印象にそのまま結びついてはいません。ここが声の難しさでもあり、奥深さです。
人間の感覚は、相対的な変化でものごとをとらえていきます。いきなり大音量を聞かされたら、誰でも驚きます。しかし、ずっと一定の音量に慣れてしまえば飽きてしまいます。最初に感じた新鮮な感動は、少しずつ薄れ平坦になっていくのです。(♭ё)
 
Q.強調で惹きつけるコツは?

A.小さい音量から徐々に大きくなっていく音や、激しく大きい音の後に急にくる静けさに、人の耳は惹きつけられます。これは声にもあてはまります。大きいところで一定している人よりも、小さい声から大きい声まで幅広く声量を出せる人の方が、聞く側はよりパワーを感じるのです。(♭ё)

Q.言葉に抑揚をつけることで、聞き手の耳をぐっと惹きつけたいのですが。

A.その技法をプロミネンスといいます。プロミネンスは「際立ち」「際立たせ」「卓立」「対比の強調」「文アクセント」など、さまざまな言葉に訳されていますが、総じていえば、強調し、はっきりと伝えるということです。
ただ、言葉すべてを強く言うのではなく、どれか一つの語句、特に意味を持つ言葉だけを強調させることがポイントです。(♭ё)

Q.メリハリは大きい方がよいのですか。

A.大きくすれば良いというものではありません。力んだり、発音が不明瞭になったりしては本末転倒です。プロミネンスとは、大きさでありません。声そのものを強くするということではなく、意味を強めるということなのです。どこにプロミネンスを置くかで、文章の意味さえ変わります。(♭ё)
 
Q.プロミネンスはどこにつけるのですか。

A.相手が聞きたいところや、聞き間違えられやすいところに置きます。「いいですか」や「もし」のときに使うように、次にくる言葉に注意させるための前触れの強調としてや、言外の意味を持たせる「決まっているわけではないのです」というときなどにも使えます。(♭ё)

Q.文章を人に伝えるために、どう読むのですか。

A.人の心を動かすには、正確に原稿を読めば良いというものではありません。句読点に忠実に読んでも、機械的な文脈になってしまいます。また、息継ぎのタイミングを誤ると、本来の文章とは違う意味になってしまうときもあるので、ブレスや間はとても大切です。
文法上の区切りとは別に、音声として効果的に区切るべきなのです。呼吸を意識し、どのように読めば最も良く伝わるかを意識してフレーズを作りましょう。(♭ё)