発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.上達の早い生徒さんをみて、上達のコツを教えてください。(1)~(7)

A.上達のコツは、いろいろあると思いますが、なんといってもその王道は、自主トレーニングの量と頻度でしょう。さまざまな境遇の生徒さんたちと接していると、特にその重要性が浮かび上がってきます。レッスンの中で、自主トレの頻度と量とタイミングについて、しばしば伺っていますが、やはり、頻繁に、まとまった時間、よいタイミングで自主トレをしている生徒さんは、上達の早さが際立ちます。いっぽう、どんなに理解力が高く、あるいは器用にトレーナーの指示通りの声を出せても、自主トレの少ない生徒さんは、レッスンだけでは上達は遅々として進まず、またレッスンで出せた声の定着にも、時間がかかることになるようです。
もちろん、喉を傷めるほどの頻度と量の自主トレは危険ですが、それもギリギリのところまで自主トレをしてみて、はじめて体感・体験できることで、なにもしないうちから頭で怖がっていても、上達にブレーキをかけるだけです。
ただ、熱心な生徒さんの中には、喉の痛さ・辛さこそが、充分なトレーニングが実施できた証拠だと、勘違いされる方も少なくなく、その点はかならず注意しなければなりません。風邪などでないかぎり、喉の痛さ・辛さは、オーバーワークのしるしで、即刻自主トレを中止して、喉を休め、水分や栄養を補給して、傷みかけた部分の回復を、全力でサポートする必要があります。これを怠ると、次回の自主トレのクオリティを、いちじるしく落とし、最悪の場合は、しばらく自主トレが実施できない事態にもなりかねません。
レッスンに通っている生徒さんには、さすがにそこまで最悪の状態になる方はいませんが、しっかり自主トレしているのになんとなく調子が悪い、声が悪くなっているような気がするなど、自主トレの頻度と量が多いにもかかわらず、上達していかない人に、話を伺ってみると、喉が痛くなりかけるまでがんばっているかたがほとんどでした。日頃から「がんばって適度な自主トレを頻繁に!」と、スローガンのように繰り返しているのですが、熱心な人には、「適度な」という単語が、「やや過度な」と、まちがって聞こえてしまうようです。(♭Ξ)

A.レッスンに毎回休まずに来ている生徒さんは上達の速度が速いです。当たり前のようで、この当たり前のことができない生徒さんも中にはいらっしゃるので、その状態で上達しないというのは当たり前のことだと思います。皆様お忙しい生活をしていらっしゃる中で来れない日もあると思うのですが、それでも毎回休まずくる生徒さんもいらっしゃるのも事実であり、比較した場合、上達に差がでてしまうのは仕方ないことだと思います。定期的に自分の現状を判断してもらうことはとても大事なことです。それがおろそかになったり、やらない人に声の上達は望めません。上手な人やプロほどレッスンの重要性をよく分かっています。(♭Σ)

A.頭がいい方は、早い気がします。言われた時に、自分なりに解釈をして、取り入れることができると思います。また、頭のいい方は、要領のいい練習の仕方を自分で見つけ出し短い時間の中で、できることを見つけて練習することができるので早いと思います。また、もともとのセンスを持った方も、レッスンで言われたことを、感覚でつかむことができ、すぐに取り入れることができると思います。しかし、何にも勝ることは、いかに歌と向き合うか、ということで、きちんと、向き合って、練習している人は、それだけ上達しますし、それが、上達のコツではないかと思います。練習した分だけ、身になるのではないでしょうか。(♯Ω)

A.上達の早い生徒さんは、まず良く練習してきます。何よりも大切なことです!
それから、気力が高く、ご自分の目標がしっかり定まっている人が多く見受けられます。ご自身の目標がより明確であったり、こうなりたい!というイメージができていると、おのずと自分に何が足りないのか?も良く分かります。
そして、私達トレーナーもどのようにご指導したらよいか、どういう風にアプローチしたら感じてもらえるか?を理解しやすくなるので効率よくレッスン時間を使えます。
それから、自分の感覚に敏感な人もよいですね。自分の耳で自分の声を客観的に聴くのは不可能ですので、私達トレーナーの耳を信じて、なおかつ体感したことを素直に受け止め、そのことについて執着して練習してくれる生徒さんは上達が早いです。もし、トレーナーの言っていることが分からないときは、質問して下さい!もちろん、その場ですぐに分かって体現できることは容易ではありません。どうしても時間がかかることではありますが・・・。分からないままほっておいても上達はしないのですから。(♯Δ)

A.トレーナーのアドヴァイスに対する反応の良い生徒さんで、さらに、ご自身の感覚に敏感な方、自分の声の理想を持っている方は上達が早いように感じます。(♯Λ)

A.上達の早い方々の共通点のひとつは、そのときの課題にしっかり取り組む、思い切り試してみる、チャレンジしてみる、という姿勢です。不器用だからできない、感覚が鈍いので分からない、という言葉を時々耳にしますが、上達の早い方はできるかできないかを考える前にまずとことん実践しています。実践の中で思い切り試してみるから、いつもの自分の癖を抜け出して新しい感覚を体験できるのです。そして新たな感覚を得ることで、初めて今までの癖のある自分(の感覚)を外から客観的に見れるようになります。
このように、以前の感覚と今の感覚の違いが分かるほど進み方が早いのです。
またトレーナーは助言や手助けはできますが、お互いに別々の身体なので実際のところその人の身体の感覚をすべて知ることはできません(同じように感じてみることができません)。生徒さんご自身が自分の身体によりいっそう意識を向け、小さな変化にも敏感に察知する(さっきより歌いやすい、声がスムーズになった気がするなどでいいのです)ことが上達への第一歩だと思います。(♯α)

A.上達が早い遅いということ自体、そもそも難しいと思います。一時的に早く習得していっているように見えても、停滞する時もあります。その停滞する時間が長いか短いか、とも言い換えられると思います。
初期段階で上達が早いように見える人の特徴としては、日常的に人とのコミュニケーション能力が比較的高かったり、相手の言っていることの内容を理解する能力が高い人、そして、注意深く自分なりに挑戦してみる人です。
レーニングにおいて、トレーナーの言っていることを、すぐに総て理解できるということはまずないと思います。その言葉を自分なりの解釈で自分の身体に置き換えてみることができると上達は早くなるでしょう。そして、トレーナーの声やフォームを観察することも大切です。(♯Γ)