発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.昨日まで出ていた声が今日は出ないということはないのです。

Q.昨日まで出ていた声が今日は出ないということはないのです。

A.声の状態が悪いのに、雑に大きく出しているのだったら、もっと状態が悪くなることがあります。かすかすの声の歌い手や役者もいますね。発声から見ると、病気ではないかというようなプロもいます。でも再現性がとれていたら、作品にはなるわけです。

発声からいうと、詰まっていても、本人がそこの音をこういうふうに動かすということがあって、確実にコントロールできていたら、結果としてそれは動いていたらいいともいえます。

そこから悪循環が起きて、最終的に声が出なくなったり、出にくくなったり、声量がなくなってしまうことを恐れるべきです。

 

Q.声量がなくなるのは悪化なのですか。

A.声量がなくなっても、伝わることが大きくなるなら、よしとします。

普通で考えたら逆ですが、きれいに声が響きすぎるから、声をハスキーにした方が情感がこもるという人も出てくるわけです。それは嘘ではないと思います。

 

Q.外国人をまねるのは。よくないのですか。

A.白人がサッチモを聞いて、まねたくて喉を壊してしまう。それはやってはいけないということに気づくわけです。喉も、人によって相当違う。個人にあった発声を見つけていかなければいけないのです。

 

Q.喉を壊さない備えをするべきですか。

A.今の時点でトレーニングがしっかりとまわって、喉を痛めることが起きていなければ、問題ありません。いい状態を保てているということは、悪い状態にならないとわからないです。そうならなければ考えなくてもいいと思います。健康のときに病気のことを考えろというのも難しい。あなたが直感的に自分にふさわしい環境を選んで、そういうやり方をとっていると思えばいいのです。それがずっと続くかどうかはわからないが、わざわざ悪くすることもないでしょう。

 

Q.体調管理は、声のプラスになりますか。

A.声の調子のいいときは、大体、体調はいいものです。喉を休ませたいときにも、あまり大事をとっては休ませられない。休んでいると、よくも悪くも元に戻ってしまう。声の調子で風邪を引くとか、体調が崩れるのに敏感になります。

 

Q.ヴォイトレをすると、風邪を招くのですか。

A.ただ声をだしているだけなら、いつもより引きやすいかもしれません。しかし、よく風邪をひいていたものが敏感になって、体をあたためたり休んだりして、風邪をひかないようにもできるはずです。

 

Q.私の先入観ですが、でかい声を出すのがいいと思います。

A.それはそれでいいことです。声が出せなくて悩んでいる人もここに来るわけです。役者のようにやってみればいいと思います。歌は大きな声で歌わなくなってきています。かえって役者や声優、お笑いのほうが、でかい声を求められていますね。でかい声にするためには、喉の負担をはずさなければいけません。息が深くなると深い声になるという期待がもてるのです。

 

Q.日本人でもAIという女性が出てきて、黒人並みじゃないですか。僕もああいうふうになれるかなと。

A.歌になると、声だけの問題ではなく、センスなども含まれます。黒人と、一概に言うけれど、いろんな声があります。中性的なモータウン系の声は、黒人にしか出せないとも言われます。声に関しては、スタイルと一緒になっているから、どこまでどの国の人がやれるかはわかりにくいですね。それぞれに違う声の使い方をしているわけです。モータウンでもいろいろな人がいます。声がリズムと歌唱のスタイルに溶け込んでいるという感じはあります。それを日本語や日本人がやるとうまくいかない。民族性を帯びたものは、一括りにはできません。いろいろなタイプがいると思います。がんばりましょうね。

 

Q.声を深くするというのは、目的と違うのでしょうか。

A.ベースになるかもしれませんが、最終目的ではありません。マイクと親しんで、いろいろな音色を作り出していくのと同じです。でも、そうしてシンプルにやっていくとよいと思います。

 

Q.外国人のような音色で歌えるようになれますか。

A.その音色、リズム感のよさに、その音にあてなければというふうに考えてしまいがちです。彼らは、打楽器的を叩くという感覚でできてしまう。反射神経や運動神経の問題にもなってきます。

彼らと同じことを、やるのだったら、基本的にはダンスです。ダンスの感覚のもとに、サッカーや音楽があります。踊りのところでこなせるかという問題です。こなせるところまではできても、腰の高さや足の長さということでこなせない部分も出てくるかもしれません。それは体つきの問題にもなってきます。体つきがそうでなければ、動きがとれないとかリズムがとれないということではありません。昔はそんなことも言われましたが、日本人でもクラシックバレエでいい成績を残しています。遺伝や、その民族しかできないというのも、必ずしもそうでもないということです。