A.舌は、言葉をあやつるのにとても重要な器官です。発声の際に、この舌を、言葉を構成すること以外に活躍させることは、言葉の発音が不自由になってしまうので、避けるべきだろうと思います。よく、発声時には舌を上げてはいけないとか、しっかり平らにあるいはへこませたままに、などと注意されたりしますが、これは、舌を発音以外には、使うなということです。舌は、口の中に見える部分以外に、舌根という部分まで含まれたかなり大きな筋肉です。そのうえ、声帯からそれほど遠くない場所にあるため、声帯をコントロールするための他の筋肉と、まちがって代用されることも多いようです。そのような誤用を改善するための方法として、舌の扱いに、注意がなされます。ここで問題になるのが、脱力ということです。「まちがって力が入っているから力を抜くように。」と注意されても、必要があって入っている力は、なかなか抜くことが難しいものです。逆に、正しい必要な部分の力が抜けて、舌の力だけが抜けずに残るという、悪循環におちいったりもします。お勧めの方法は、舌をターゲットにするのではなく、発声のバロメーターと考えて、舌を改善しようとしないことです。発声がよくなれば自然に治ると考えて、意識し過ぎないことで、意外に楽に改善できたりします。
(♭Ξ)
A.これは人によって様々なので一概に言えないのが現状なのです。私も先生が変わるたびに違う見解を言われ、今は、私に一番しっくりきて歌いやすい舌のポジションを選んでるにすぎないからです。なので生徒によっては今の私の舌の扱い方をそのままアドバイスすることもあれば、私はとり入れていなくても以前教わった今の私とは全く違う、むしろ逆のアドバイスをすることもあります。
個別の問題はさておき一般的な問題でいうとあまり舌のことは意識しすぎないほうがいいようです。というのも舌の問題にふれなくても声のポジションの問題、上記の身体の使い方の改善で舌の問題を解決できることも少なくないからです。舌だけなんとかしようとおもっても難しく、身体は筋肉、神経、骨、血管で繋がっていますから一箇所だけの問題と思わず全体的な問題としてとりくむことが重要だと思います。(♭Σ)
A.舌は、平らになっているのが理想です。奥にひっこんでいると、力がが入り、逆に、力が入ると、奥にひっこんでしまうので、そういうときは、あえて、舌を出すようなイメージで歌うといいかもしれません。舌に力が入ってしまう理由としては、身体が使えていないことに大きく、影響しています。舌に意識をしすぎると、かえって、力が入る可能性がありますので、深い呼吸をすること、丹田を意識すること、また、寝ながら、足上げして歌ってみるなど、身体が使えているかどうかを意識して歌うと、自然と、舌も正しい位置になることがあります。(♯Ω)
A.舌の扱いとして一番重要なことは、舌根の部分を固めないでリラックスした状態に保つことです。発音する時、特に歌詞を明確に発音したいときなど、一所懸命発音しようとしているのに言葉がいっこうに明瞭にならないときは、だいたい舌根が硬くなっている時が多いです。自然に発音しようとしても、余計にギクシャクしたり、声がブツブツ切れて聞こえたりします。そうなると、傍から歌を聞いている人は、何を言っているのかさっぱりわからなくなります。舌根に力が入って、力んでいると、よりはっきり喋ろうと口を大きく動かしたりしても、全くダメです。母音どころか、まず子音が聞こえないと言葉はさっぱり聞き取れません。まず舌根の力を抜いて、子音をはっきり出そうと努力してください。そして、舌が奥に引っ込まないように意識してください。では、舌を前に出して歌えばよいのかでしょうか。それは違います。舌を無理やり前に出そうとすると、これまた舌根に力が入ってしまいますから、要注意です!あくまでも、ご自身が一番楽に感じるところに舌を置くというイメージです。(♯Δ)
A. 一般的には舌は下あごに沿ってスプーン上になっているとよいといわれています。たしかにこの状態ですと喉の奥まで開きやすくなります。しかし、様々な母音と子音を舌でコントロールしていかなければなりません。ですから常にそのような状態を保つことはとても難しく、捕らわれすぎてしまうことで逆に舌を固めてしまいそれが喉にまで悪影響を及ぼしかねません。私自身は基本的にはこのようにするべき、というものはないと考えています。それよりも舌根を固くしないということのほうが大切です。鏡で歌っているときの舌の状態を見てみましょう。口蓋垂のあたりまで舌が引っ込んでいませんか?引っ込んでいたり、舌が縮こまっている状態であれば舌根に力が入りすぎている可能性があります。トレーニングとしては舌を思いっきり出して発声する、というものがあります。舌に力が入りやすい人は発声している間に舌が奥に戻りたがる傾向があります。また巻き舌で発声練習するのも舌の筋肉をほぐすのによいトレーニングです。(♯Λ)
A.普通に口を閉じたとき、舌は平らで、舌先は下前歯の裏に当たっています。発声時もそれと同じ状態でいるのがよいです。ですので本来は「舌を扱う」という概念は必要はないのだと思います。ただ、どうしても力が入ってしまう、力みを感じるという方は、舌は力みのない状態でいるのが理想ですので、もちろん改善する手立てを講じるのがよいでしょう。たいていの場合、舌に意識を向ければ向けるほどに力みは生じる、力が抜けないという悪循環に陥りますので、舌のことは放っておき「顎を軽く左右に動かしながらの発声」をしっかり口を開けて行ってみてください。顎が動いていることで、いつもの力み(舌根が上がる、舌先が力むなどを含む)が入らない状態で発声することができます。何度も繰り返してその感覚を身体に覚えこませていってください。(♯α)
A.扱い、というよりも、舌の動きも自分の体の一部分として発声に効果的に意識的に使えるようになることが、発声練習のトレーニングの一環です。これは「速く走りたいのですが、足の扱いはどうすればいいですか?」「軽快に踊りたいですが足の扱いはどうすれば?」「ショパンを弾きたいのですが指はどうすれば?」という質問と似ています。だからといって、「足も指も速く動かせるようになればいい」という答えも違うわけです。舌も喉も声帯も全て効果的に連動して使えることが大切です。舌も一つの大切な道具、部分として鍛えていきましょう。(♯Γ)
A. 舌根はとにかく緩めましょう。緩めると言ってもそう簡単に緩める感覚は分かるものではないのですが。発声の時に一番妨げとなるのが、舌根だと僕は思ってます。いびきをかく時をモデルにするといいでしょう。舌根の力みは無いはずです。そして呼吸の流れが感じやすいはずです。その感覚で声を出してみましょう。はじめは母音の発音が曖昧になりがちですがそれでいいのです。慣れてくれば器用に母音の発音を整えていきましょう。
舌根は常に平らに脱力している状態を意識してください。呼吸がスムーズに流れていく感覚を大事に舌を扱うといいでしょう。(♭Д)
A. 舌は平らになっていなくてはいけません。舌の歯のラインに並んでいることがベストです。そして、舌の付け根の方も盛り上がらないよう気をつけます。上顎、口蓋垂の辺りを張って、口の中を広く保ちます。
そういうと、「ヤ」などの発音も舌を平らにしたまま発音する人がいますが、それは違います。発音するために舌が上がったり、動いたりするのは自然なことですので、まちがえないように。(♯Å)
A.舌は言葉を話す時はもちろんのこと、歌う時にも関わる重要な器官です。人はリラックスしている状態では、あまり舌に力が入っているかどうかや、舌が今どの位置にあるか、等、特に気にせずに話したり、歌ったりしていると思います。よい声が出る状態は、舌もリラックスしていて、話したり、歌ったりする際に柔軟に動いています。何も考えずとも、舌がリラックスできれば、有難いことですが、緊張したりすると、舌が硬くなったり、動きがにぶくなったりすることがあります。舌の動きが不自由になるとキレイに発音できなくなったり、声がくぐもったり、詰まった声にもつながります。
舌が動きにくい時は舌だけでなく、下あごや首も硬くなっていると思います。ゆっくり首を回したり、あごの下を指でほぐしたり、舌を出したり、引っ込めたり、出したまま上下、左右に動かしてほぐすようにしてみましょう。舌根が奥に引っ込でしまう癖のある人は、喉が絞まった声になるので、舌を左右どちらかの内ほほにつけたまま、声を出してみると喉が開くようになり、声が出しやすくなるかと思います。こうして、舌を柔らかくして発声し、ラ行、タ行、ダ行、ナ行の発音時に上あごにつけて発音すれば言葉も鮮明になると思います。(♯μ)
A.一般論では、「舌根に力が入らずに、できるだけ平らにしましょう」というのが、最も教科書的な教え方だと思います。ですが、「舌を平らにする」ということに意識が行き過ぎると、却って舌根が固くなってしまう原因になります。なので、極論、「声が出しにくくなければよい」、「発音に問題が無ければよい」という程度に考えて、舌に対する意識をあまり持ち過ぎないようにしましょう。
もし、舌が原因で発声、発音しにくいのであれば、主に舌根の力みが原因である可能性が高いです。舌が後に引っ込まないように気をつけましょう。舌を飲み込みすぎると(舌根を引きすぎると)声を飲み込んで押し殺したような声になり、逆に、舌が前に出すぎると、喉に力が入って叫んだような声になってしまいます。また、舌が棒の様に固くなってしまっている人は、早口言葉が言えない状態であると思います。このように、一言に舌の問題と言っても、症状によって色々なケースが考えられますので、一概には言えません。
状態も確認せずに、この場でむやみやたらと説明するのは却って悪化させかねないので、これ以上はここでは述べません。
まずは、あなたの声がどうなっているのかトレーナーに判断してもらいましょう。そして、状態にあった適切な対処法を教わりましょう。(♭Я)
A.舌はないものと同様、力が入らないように保たなければなりません。よく舌根に力が入る方がいらっしゃいますが、この癖をとるのはとても時間がかかります。根気よく鏡を見て自分の舌の状態を確認しなければなりません。舌先を頬の内側にくっつけて上の歯茎、舌の歯茎を内側からぐるっと動かして、普段動かしていない舌の筋肉を動かしてみましょう。飴玉を下の上においてみて、舌に違和感がないように感じてみましょう。また、「ベー」と舌を思いっきり出して突き出してみましょう。このようなウォームアップを日々のトレーニングに取り入れて下さい。
舌に力が入るという方は多いですが、不思議と身体の支えができてくると、このような余計な力みが取れて歌えるようになってきたりもします。横隔膜とその回りの筋肉、下腹で息のコントロールができるようになると、いつのまにか舌の力みが気にならなくなっていることがあります。トータルで向上していくことが大事なのだと思います。(♯ё)