発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.支えという考え方について教えてください。

A.よく歌や声のレッスンで「支え」ということを言われることがあるかとおもいます。自分自身の経験からいくとこの支えと言う言葉にどれほど振り回されてきたかわかりません。これまで私自身が言われた支えに関するワードでは
丹田で踏ん張る
・胸郭、肋骨を広げる
・横隔膜を広げて支える
・肛門を閉める
などさまざまですがどれもどこか「力」や「踏ん張る」という印象を受けてしまうのです。そう感じてしまった私にも非があるのかもしれませんが。 私が現状実践している支えという分野の訓練は「アッポッジョ(appoggio)」です。これはアッポッジャーレというイタリア語の「支える」という動詞の過去分詞ですが、アッポッジョの考え方はどこかを踏ん張るとか力むという発想ではありません。呼吸とそれに付随する呼吸をつかさどる筋肉のバランスをメインにトレーニングすることを言います。
どこかを固めるとかどこかを閉める、ということではなくいかに美しいフォームでいれるかということが大事になってきます。アッポッジャーレは支えるという意味のほかに持たれかける、寄り添うなどの意味もあります。日本語の支えるとはちょっと意味あいがちがっていると思うのです。アッポッジャーレは指導者のもとトレーニングするのが大事ですが、力という部分ではない支えの考え方もあるとおもってください。(♭Σ)