A.よく歌や声のレッスンで「支え」ということを言われることがあるかとおもいます。自分自身の経験からいくとこの支えと言う言葉にどれほど振り回されてきたかわかりません。これまで私自身が言われた支えに関するワードでは
・丹田で踏ん張る
・胸郭、肋骨を広げる
・横隔膜を広げて支える
・肛門を閉める
などさまざまですがどれもどこか「力」や「踏ん張る」という印象を受けてしまうのです。そう感じてしまった私にも非があるのかもしれませんが。 私が現状実践している支えという分野の訓練は「アッポッジョ(appoggio)」です。これはアッポッジャーレというイタリア語の「支える」という動詞の過去分詞ですが、アッポッジョの考え方はどこかを踏ん張るとか力むという発想ではありません。呼吸とそれに付随する呼吸をつかさどる筋肉のバランスをメインにトレーニングすることを言います。
どこかを固めるとかどこかを閉める、ということではなくいかに美しいフォームでいれるかということが大事になってきます。アッポッジャーレは支えるという意味のほかに持たれかける、寄り添うなどの意味もあります。日本語の支えるとはちょっと意味あいがちがっていると思うのです。アッポッジャーレは指導者のもとトレーニングするのが大事ですが、力という部分ではない支えの考え方もあるとおもってください。(♭Σ)