A.そうでないことは、再三述べてきました。発声のときの声は、ヴォイストレーニングでのプロセスでの声です。これは、位置付けとしては、先のトレーナーの役者もどき声に当てはまります。
何らかの目的に対して器をつくっていくプロセスでの声は、目的が高い声なら高さ、響く声なら響きというように、部分的な成果を求めます。そのままでは、結果として、可能性を狭めてしまいます。あえていうなら、脱力しているゆえに、通る声を目指してください。そこでは声の芯が前提となるのです。
それとともに、それぞれのトレーニングの課題、例えば、1.姿勢、2.呼吸(法)、腹式呼吸、3.発声、4.音感・音程、5.リズム、6.声区、声域、7.声量、8.共鳴、9.音色、10.表現 などというのもトレーニング別の目的としてあるのです。
このあたりは、先にも述べましたが、筋力強化のための動きと、強化された筋力を自由に使うのは、まったく違うのです。息を長く吐くチェックと、長く吐けるコントロール力を使うのも違います。目指すべきは、統合された無意識下でのファインプレーの出る条件と状態づくりなのです。(♭)