A.私が子供の頃は、ルゴール液というものが、一般家庭にも常備薬として置かれていました。風邪などで喉が痛いときに、金属でできた長い棒状の器具の先に、脱脂綿を絡み付け、その脱脂綿にルゴール液を浸して、扁桃腺などの喉の入り口に塗り、殺菌消毒をするものです。病院でも、同じように使われていました。
ルゴール液は、うがい薬のイソジンと同じような薬剤で、においも似ています。風邪で喉が痛いときには、必ずといっていいほど、父にルゴール液を喉に塗ってもらっていたので、喉を開けるのがうまくなりました。大きな口を開け、舌も平らにしていないと扁桃腺などが見えづらく、ルゴール液を塗りにくいので、病院で大きく口も喉も開けられることは、子供にとっては、少し誇らしいものでした。
喉の奥を開けるのは、あくびで喉の奥を広げるのと同じです。朝などは開けにくく、歯磨きのときに、歯ブラシが奥歯の奥に入ったときに、反射で吐きそうになるのは、朝の方が多いようです。少々荒っぽいですが、このことを利用して、口の奥に指を入れて、喉を開けるウォーミングアップをする男声声楽家もいます。(♭Ξ)