A.ヨガやピラティスでは、胸式呼吸を用いるときがあります。
腹式呼吸は、息を吸ったらおなかが膨らみ、息を吐いたらおなかがしぼむというものですが、胸式呼吸はこの逆です。息を吸ったときに肺を意識的に膨らませて、おなかを膨らませないようにします。ヨガやピラティスでこの呼吸法でエクササイズをするときには常に下腹はぺちゃんこにへこませておくよう指導されます。腹筋を使った状態、そしてピラティスでは骨盤底筋を自分に引き入れた状態を作るために、胸式呼吸にしているようです。この呼吸のほうが、より内側の筋肉を強く使える、肺にたっぷり息を入れることができる、交感神経が優位に働くため、体にいい緊張感をもたらすことができる、などのメリットがあるようです。
歌を歌うときには腹式呼吸を推奨されることが多いと思いますし、実際に腹式呼吸のほうが楽に声が出ると思います。しかし、歌手の中には、あえてこの呼吸を要所要所で使い分ける方もいます。瞬発的な強い声を出したいとき、高音でポジションをすごく高く用意したい時などはこの呼吸法は有益です。
しかしほとんどの場合、歌唱時は腹式呼吸のほうが、体をゆったりリラックスして使える、息を長く保てる、副交感神経を働かせられるなどの面から優位であると思います。(♯β)