A.呼吸のエネルギー、筋力、鍛え抜かれた声帯、最大限に開けた共鳴腔。これらを駆使することで、並外れた声量を出すことが可能になります。
マイクについては、基本的には使いません。ホールの収容人数が2000~3000人程度まででしたら、使うことはないです。それ以上になってくると、舞台上に収音装置を置き、客席のスピーカーから薄く音が出る程度に音響機器を使用することはありますが、あくまで補助程度です。観客も気づかないものです。歌手一人ひとりにピンマイクを付けるような使用はしません。
以前、音響さんにお話を伺ったところ、クラッシックでお客さんにバレない程度にマイクを入れる技術があるそうです。コツは、生の音よりもほんの一瞬だけ遅らせてスピーカーから音を出すこと。人間の耳は、先に鳴った音で音源の方向を判断する性質があるため、一瞬後で鳴り始めるスピーカーからの音は、発生源として認識されず、音量だけが増して聞こえるのだそうです。(♯∂)