発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.オペラ歌手はなぜ大きな声が出るのですか、マイクは使わないのですか。

.呼吸のエネルギー、筋力、鍛え抜かれた声帯、最大限に開けた共鳴腔。これらを駆使することで、並外れた声量を出すことが可能になります。

マイクについては、基本的には使いません。ホールの収容人数が20003000人程度まででしたら、使うことはないです。それ以上になってくると、舞台上に収音装置を置き、客席のスピーカーから薄く音が出る程度に音響機器を使用することはありますが、あくまで補助程度です。観客も気づかないものです。歌手一人ひとりにピンマイクを付けるような使用はしません。

以前、音響さんにお話を伺ったところ、クラッシックでお客さんにバレない程度にマイクを入れる技術があるそうです。コツは、生の音よりもほんの一瞬だけ遅らせてスピーカーから音を出すこと。人間の耳は、先に鳴った音で音源の方向を判断する性質があるため、一瞬後で鳴り始めるスピーカーからの音は、発生源として認識されず、音量だけが増して聞こえるのだそうです。(♯∂)