A.これは若い時の私のケースです。音大の入試を控えている、しかもソプラノで受験するというのに、G5(二点G)までしか出ませんでした。こういう場合は、ソプラノではなく、アルトとして受験するケースもあるのですが、私の先生は私の声は絶対ソプラノだということでソプラノで受験しました。歌のための筋肉がなく、高音を支えるだけの体ができていないということ、圧倒的な経験不足が原因だったと思います。
その時の先生にご指導いただいていたのは、とにかく息を流しながら、下の音から少しずつ音域を上げていくレッスンでした。「ドレド」のような感じです。使ったことのない声帯のトレーニングになるので、慎重に、力を抜きつつでもしっかり息を流して音域を広げていくという練習でした。地道な練習を続けていくうちに、その息を流すために必要な筋肉、支えるための筋肉がついてきて、だんだん楽に歌えるようになりました。あまりにも当たり前の話ですが、地道な訓練というもの以外に、乗り越える方法はないと思います。([E:#x266F]β)