A.ある著名なイタリア人の歌手が使う用語に「声の教養」(もしくは「声の知性」と訳したほうがわかりやすいかもしれませんが)という言葉があります。いくら教えられても、何も知識がないところにこの音がいい、この音は悪いという判断基準がないと、教えようがないというニュアンスで使っていました。
見本をトレーナーに示されても、レッスンに来て間もない人だと、ポカンとするばかりで、どの音がよくてどの音が悪いかが判断がつかないときは、まさにこの「声の教養」を身につけなければなりません。
そのためにはとにかくたくさん、ありとあらゆる歌手の声を聴いてみることです。自分なりに、その歌手の声はどうなのか、マネできるところはどこか、地声なのか頭声なのか、柔らかいのか堅いのか、おなかから出ている声なのか、喉だけでだしている声なのか。声のオタクになるくらいの感じで聞きまくるといいでしょう。トレーナーにお勧めの歌手を聞いてもいいかと思います。まずは声に対する教養、つまり判断基準になる音をたくさん聞いてみてください。([E:#x266F]β)