滑舌の問題も、よくなったからといって伝わるわけではない。その前に、発声につくイメージみたいなものが大きいです。滑舌が回らなかったら失敗するというのは、言い違いだけです。たとえばアナウンサーやナレーターではまずいでしょう。けれど、日常においてはどうってことない。滑舌がきちんとしているけれど、その言葉がしっかり伝わらないとか、意味がきちんと理解しにくいというほうが、よっぽど問題なのです。
歌い手でも、「さ」が言えないというなら、言えたほうがいいけれど、言えないからといって、その歌が伝わらないとしたら、それは「さ」の問題ではない。結構、そういうふうに思ってしまう人も多い。話も同じです。声や発音のせいと言えないことがたくさんあります。