発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1123.声区の溝を埋めるには。

A.「優れた歌手は誰でも、その声を声区に分けることができる。つまり、ある声区のときに主として働く筋肉を、それぞれ別々に働かせることができるのである。そして、それらの機能の個々についてもまた、コントロールすることを知っていなければならない(自分のやり方、耳を通じて)。」とある本にあります。
 具体的な方法は、胸声で最低音域を動かします。すると、必然的に喉頭(のど仏)が下方へ引き下げられます。これより、一音ずつ音を上げていき、喉頭が上がってくる辺りまでを胸声とします。その後、中音域では鼻腔を意識します。ハミングのポジションです。さらに高音域に入ると、鼻腔より上のポジション、「マスケラ」や「プント」と呼ばれる位置を意識します。これがジラーレと呼ばれる高音を出すテクニックです。そして、ジラーレでも限界が来ると、頭の天辺から声を出す仮声区になります。
 このように声区から声区に移行する間に、声帯の状態・筋肉の収縮など生理学的にさまざまな動きがありますが、それは置いといて、トレーナーと一緒に進めながら、音や体の使い方に意識を向けて体得するよう心がけてください。(♭Π)