A.ヴォーカルは、音楽を勉強したからといってできるわけではないのです。何が人を引きつけるのか、何が効果として表れるのかということを知っていくことです。
オペラや声楽の人も、何かに頼りすぎてしまいがちでしょう。声のことをやりすぎたために、全部をそこで判断してしまうと見えなくなってきます。どんな世界でも同じではないかと思います。
そういうときは一度離れて、それを見てみることです。
声や歌は、半年ごとに徹底して聞いてみる、同じ曲を違う場所で聞いてみるなどして、そのときにまた違う気づき方をしていくべきです。どっぷりとその中にいるとなかなかわからなくなってしまいます。
突き詰めてやろうと思っても、こういう感覚のものは麻痺してしまいます。一つのことばかりやっていると、この中で何も気づかなくなってきたり、飽きてきたりします。単調になったり、飽きたりすると、勉強にはよくありません。
それなら全然違うものをやって、新鮮なものを失わないことです。それがつまらないと思ったら、何か感じられるようになってきます。どこまで気づいていくかということに関しては、キリがないと思います。高まっていく人は、常に昨日の自分を捨て、切り替えられる人だと思います。