発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2076.心技体の向上と声のコントロール力との関係は。

A.プロの野球選手と歌手の共通点にを交えながら考えてみたいと思います。プロ野球選手は、一年間を通じて試合をし、どんなに一流選手になっても調子が上がらないときがあります。イチロー選手のような一流プレーヤーでも、5月は4割打って6月に2割台に落ち込んでしまうことがあります。歌手も、5月の公演は上手く声をコントロールできたけど、6月の公演はあまり良くなかったということがあります。そして調子が上がらないときは、必ず本来のフォームがずれていることは必ずあると思います。そのフォームのズレというのは数センチ単位でも成績に顕著に表れてしまうというとても繊細なものです。歌手の場合は、まず姿勢です。鎖骨の位置が数センチ下にずれていたり、背骨が数センチいつもより湾曲していたり首の位置が数センチ前に傾いていたりするだけで、本来の声が思う存分だせないと感じてしまうものです。
 どんな世界でも一流になればなるほど、少しのズレが大きなズレになるものです。そのズレと上手く付き合っていくためには、イメージ力というものが大きな鍵になっていくと思います。また、常に奢らずトレーニングを定期的に続けていく精神力と言うものが必要になってきます。昔から使われる言葉「心技体」はとてもいい言葉だと思います。「技と体」だけではバランスは保てないのです。発声が上手くいく時期があったけど、最近その感覚が変わってきて思うように声が出ないと感じている人は、「心」からアプローチして考えてみることをしてみてはいかがでしょうか。自分が一番いい声を出したと思う瞬間を、何分かけても何時間かけてもいいので思い出してみるといいと思います。喉で苦しそうに出る声を何時間も出すよりも、その方が実は効率が良かったりするものです。(♭∀)