発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q5055~5057.声や歌に、神を感じたらおかしいですか。

Q.声や歌に、神を感じたらおかしいですか。

A.私たちは大宇宙の中で、小さすぎる存在でありながら、一人ひとりの中には大宇宙があるわけです。梵我一如といいます。一流の歌手であるほど、そういう私たちを超えた存在を感じずに歌っている人はいないのでないかと思います。私も自分を超えた何かに近づくためにやっているのです。

Q.歌は、学校で学べるものなのですか。

 

A.歌い手の偉大な人は、偉い宗教家と同じである。そのくらいのことは言ってもよいかもしれません。朝に神父の話を聞くか、歌を聞くか。ゴスペル教会では、神父が歌手です。

 日本でも、昔は、もっと包括的にあらゆるもので芸能と生活はつながっていたわけです。戦いと祈りに明け暮れていたのです。それは今、いうところの、芸能界や音楽学校とは違います。その名残は、人間として生きていくための儀礼、儀式に今も一部あります。そこで意味を与えて、体系化、つまり思想化して、学ぶものとしていきました。私もまた、声からそうしたものをプログラミングしていこうとしているわけです。どのくらい学べるかは、その人しだいです。

Q.歌や声に含まれるものは何だと思いますか。

A.ときおり、そこに私は、過去から今の私、そして未来へつながる永遠性、人間の価値と自分の価値、さらに感情、優しさ、憐み、怒りや悲しみ、喜びや期待、そして行動しようとする意志を感じます。皆、何かそういうものに惹かれて、芸術家になり職人になるものではないでしょうか。