発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2823.発声に理論はなぜ重要なのでしょうか

A.発声の理論を学ぶということはとても重要なことですが、それと実践することがつながってこなければ結局は意味がありません。いろいろ知識が増えて、口で正論をいえるようになるけれども、実際に声を聴くと全く違う声を出している人は大いにいると思います。たとえば、甲状軟骨と輪状軟骨が離れるや近づく、などの理論を実際に喉の筋肉に意識を傾けてもあまり意味がありません。
理論と実践というものは分けて考えて、実践するにあたって絶対に違っているものを消去するヒントとしてあるいは正しい方向になったことを証明するアイテムとして使用する、というように考えられるといいと思います。知識がたくさんあればあるほど、明らかに違うであろう道が見えてきます。しかし、正しい道に自分で誘導する作業とは、感覚の世界を自分で探っていく作業であり、この感覚に意識を集中する力と同時に声を育てていかないと、正しい道そのものは見えてきません。(♭∀)