A.もちろん完全に真似してしまうのはよくないことですが、練習の段階ではそういうこともします。ですから練習の過程だと思って、しっかりコピーしてみましょう。
とはいえ、実際にコピーしてみるとわかると思うのですが、なかなかコピーできないものです。相手はナレーションのプロですから、簡単にコピーできるはずはなく、コピーできるのであれば、すぐプロになってしまうことになります。
まずは見本となるナレーションを何度も聞き込みましょう。ナレーターのテンポ、トーン、息遣い等をじっくり聞いていきます。それからコピーに入ります。コピーするときには、できるだけ録音しながら行なっていきましょう。一回しゃべったら、それを録音し、聞き返し、ということを何度も繰り返していきましょう。
そうしていくうちに徐々に真似できるようになってくると思うのですが、それは表面的なことで、もっと深く真似できるようになるためには時間がかかると思います。
表面的なトーンや言い回しではなく、そのナレーターの思いやイメージまでも発見することができ、その部分までも真似することが、この練習も目的なのです。こうした高い段階を目指してコピーしていくことで、単なる真似ではない、物まねではない部分で多くの学びを得ることができるのです。
真似を突き詰めていくと、物まねになるのではなく、自分の中から純粋に自分自身の個性が出てくるようになります。浅く表面的にだけ真似していてはそうはならないのですが、突き詰めていくことで、本来の自分が出てくるのです。だからこそコピーすることを嫌がらないで、突き詰めてコピーしてほしいのです。