発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3920.自分が明るい声なのか暗い声なのかは、とても大事な問題なのでしょうか

A.明るい(キアーロ)な声と暗い(スクーロ)な声の見極めは非常に重要です。ただしこれがそのまま軽い声か重い声かの判別にはつながらないです。ヴェルディを歌う声はスクーロである程度の重みが必要です。オペラのドニゼッティベッリーニなど、どの声種も歌うようなレパートリーの場合、スクーロな声のひとはその声なりに歌う必要があります。ちなみにキアーロでレッジェーロな声のひとは、発声についての勉強は非常にシンプルです。ただスクーロで重めの声は、楽に、しぜんに、では指導できません。勉強の段階で教師がこうした声の判別を理解するのには時間がかかります。歴史的な歌手のマスタークラスで、ディーヴァ(ディーヴォ)の偉大なる直観でそのひとの声種を断言することがありますが、こういうのは大例外です。問題外なのは、こうした判別をせず、指導の仕方に工夫がない場合です。こうした場合、生徒は地獄を見ます。

キアーロな生徒がパッサッジョの無理なメソードを押し付けられると声を失ってしまうし、その逆はもっと多いです。(♭∀