発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3933.ステージとヴォイストレーニングの関係について

A.シンガーにとって、ヴォイストレーニングは欠かせないものです。一流のシンガーや声楽家になったからと言って安心し、「もう自分は十分出来ている」、なんて思ってはいけません。

レッスンに終わりはないのです。

バレエダンサーは一流のプリンシパルプリマドンナであっても、毎日のレッスンは欠かしません。

筋肉が衰え、体が硬くなって動かなくなってしまうからです。

一日怠るとその衰えは自分がわかり、三日怠ると仲間がわかる、さらにもう数日怠るとお客様がわかる、と言われています。

私たち声を使う人間も同じことです。

声も筋肉ですから訓練していなければ衰えて行くのです。

そして、一流の歌手になってからも、自分の出している声が正しい筋肉の使い方で出せているのか、間違った発声になっていないか、

専門家に見てもらって矯正する必要があります。

自分の中に聞こえている声(内耳で聞いている声)と、他人が聞いている声(外耳で聞いている声)は違いますね。

自分の声を録音すると、「え?こんな声だったの?」とビックリした経験がきっと皆さんにもあると思います。

自分で自分の生声は聞くことが出来ないのです。

ですから、自分の癖や苦手な部分を知っているトレーナーのところでレッスンを受けるのです。

アスリートにトレーナーがいて、マッサージやテーピングをして体を整えてもらうのと同じことですね。

ひとつのステージでの経験は、日々のトレーニングの何倍もの収穫があります。

お客様の前で表現し、それを見てもらい聴いてもらうことは、その表現者を大きく成長させるものです。

しかし、良いことばかりではありません。

生のステージは何が起こるかわかりません。

張り切りすぎて声が出なくなったり、余計な力が入ったままで発声してしまうこともあるでしょう。

そうならないためにも日頃のヴォイストレーニングは必要です。

また、そのようなステージのあとは、もちろん声帯だけでなく体全体が疲労しています。

その疲労を治し、普段の声に戻してもらうだけでなく、よりよい方向に導いてもらう為、また自分でもその方向がつかめるようになるため、ヴォイストレーニングは必要なのです。(♯Å)