A.良い発声を身に付けるということは、あくまで歌を歌うことへの準備でしかありません。発声を学ぶこととは、歌うために必要な技術を習得をすることである。では、舞台に立つ者にとって歌うこととは何かというと、その言葉・音楽を通して、自分自身の「想い」「考え」「感情」「創造」、そして「心」を人々に伝えることです。
歌う人は、常に「表現」し、「メッセージ」を送りつづけなければならない。どんなに正しい発声・発音・音程で、どんなに綺麗な声であったとしても、それができない、もしくは人から与えられたものであるなら、「歌っている」ことにはならないということです。
このことは、活動を続けていくのなら必ず心の一番深いところにおいておかなければなりません。とくに、技術を習得するときに盲目的になってしまうと、本末が転倒してしまいます。
ただ、発声を学ぶことは大事なことですが、完全な発声を最終目標とおくと、おそらく完璧な発声は手にははいりません。(♭∀)