発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4030.素質(持って生まれたのと)と育ち(後天的に身につけられるもの)についての相違点(7)

A.素質と育ちは密接に関係していると思いますので、相違点を述べるのはとても難しいです。単純に考えると、人種や性差、もしくは遺伝などによって生じる個々の差などは「素質」、環境などによって変化していくものが「育ち」ではないでしょうか。肉体的なものでは生まれながらの骨格や筋肉のつき方などなどが上げられますが、これらはトレーニングや生活環境、もしくは病気、怪我によってある程度変化していきます。もちろんそういった影響下でもまったく変わらない部分があります。
一方、メンタル(性格や性質)などは目に見えないものですから、どこまでが生まれ持ったものなのか、どこからが育ちで変化した部分なのかはまったくわかりにくいものがあります。
同じ遺伝子を持った2人の人間が同じ環境で24時間365日同じ行動をし観察でもすれば、その差がわかるのでしょうが、現実にはありえないことです。歌においても「あの人には素質がある」なんて言い方をすることがありますが、これは生まれ持った声質だけではなく歌に対する情熱や努力、感受性なども含まれています。そう考えると、この「素質」ということばを「育ち」と分けて考えるのはとても難しいと思います。(
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