Q.大きな声で歌う練習をするのは間違いですか。
A.トレーナーに聞くと、「よくない」と言うでしょう。特にソプラノ、テノール出身の人は、最初から丁寧に使うことを求めますしかし、必ずしも間違いではありません。
歌は、他人に聞こえるように歌うものですから声にしなくてはなりませんが、それは大きな声にしなくてはいけないということではないのです。ポップスならマイクもあります。そのために発声を雑に荒っぽく扱い、喉の疲れを引き起こし、発声によくない状態にしては練習にもならないからです。日本人は声域も狭いので、まず、声域だけにヴォイトレの評価が向けられ、それが解決しないのが全てのようになっています。その分、声量、声質が犠牲になっているのは今も変わっていません。
Q.小さな声だけで練習するべきですか。
A.人によっては、喉の安全だけを考えたらそうするしかないケースもあります。発声の技術として身につけるのなら、丁寧にということです。しかし、強く大きくでは丁寧にできないのかというと違います。本当は、姿勢や呼吸との結びつきが大切です。発声の技術からいうと小さな声では、なかなかしっかりとした練習にならないのです。特にピアニッシモなどで行うのは高度な練習です。小さな声で本当に練習ができたら一流なのです。ただし、これもまた、個人差や目的、その人の発声状態にも関係するので一概には言えません。
Q.大きな声と小さな声でどのくらいで練習すべきですか。
A.私は、喉の状態の悪くならない限り、大きく出してもよいと思います。その目安は、出しているうちによくなってくるあたりまで、その範囲においてです。(ただ、喉の状態が悪くなっているのに、声が出やすく、歌いやすくなったと思う人はとても多いので、ここはトレーナーにアドバイスしてもらうべきだと思います)その日の調子や目的、本番までの日数なら、条件によって変えるべきです。終わった後、声になりにくいなら用心、やりすぎです。翌日は声に異常や喉に痛みがあるならストップしましょう。もちろん、例外もあってよいと思います。