A.声域の狭い方は、2つのタイプがあるようです。ある程度の大きめの立派な声が出せるが、声域が広くない場合と、声そのものがあまり出せない、あるいは出し慣れていないタイプです。
後者の場合は、声を少しずつ出し慣れていけば、意外に声域が狭くないことはよくあるので、まず、声そのものを出し慣れていくことです。しぜんに声域も広がっていくことが多いので、あまり心配はいりません。
問題は、前者の場合です。すでに、ある程度の立派な声が出せるようになっていると、喉の使い方が、その立派な声の声域で、固まっていることが少なくなく、声が立派になればなるほど、喉の柔軟性が低くなっていることが多いのです。つまり、その立派な声の出し方でしか、喉を使わなくなってしまっているので、より高い、あるいはより低い声の出し方自体をできなくなってしまうのです。
それを取り戻すには、喉を柔らかくして、立派ではない声・頼りない声で、まずは声を出せるようにすることですが、これはなかなか時間がかかり、一朝一夕には進まないものです。喉の力を抜いて、何度も何度もトライし続けることが、成功の鍵です。(♭Ξ)
A.声域というのは生まれ持った声帯の長さ、太さ、幅、または声帯を引っ張る筋肉などでも変わってきますのである程度は生まれ持った自分の楽器とその後の努力で変わります。
声域を下に広げる場合には胸に響かせるようなトレーニングが重要ですし、高音域に広げる場合には男女でちがいますが、男女とも声をチェンジする技術があったほうがいいです。
また、共鳴を意識すると音域は高くのびていくことが多いです。目の周辺、鼻、後頭部を意識することで音域が広がりやすくなります。母音を変えてトレーニングするとよいでしょう。男性の場合は高音域でエやイの母音を、女性はアやイの母音を用いると高音が出しやすくなります。
しかし本来は生まれ持った楽器(声帯)がどの音域を出しやすいかは決まっているのでそれを逸脱した声域の拡充は喉の消費を激しくして壊しやすくなる原因にもなるので注意しましょう。
昨今の日本のポップス、カラオケの高音重視、原調重視の方向で明らかに喉を壊している歌手も少なくありません。自分の声、体とよく相談しながらよい耳をもった指導者のもとで行いましょう。(♭Σ)
A.声の専門家ではなく、ご自身の判断で「声域が狭い」というときは、発声の状態を改善することで拡げることができます。高音域を拡げたい(のに拡がらない)場合に絞ります。状態は個人個人で違いますが傾向としては、喉の力みが強い、息が流れていない、顎が上がっている、という状態が見てとれます。
それらの改善として発声練習では、S、F、Hといった無声子音をつけた発音(Sa、Fa、Haなど。後ろにつける母音は様々)で、下降形・細かい音・速いテンポの音型(例:16分音符でソファミレド Sa-ア-ア-ア-ア)で発声します。すると子音で息を吐くので歌い出しから喉に当てなくなる、速いテンポで音が動くので力めなくなる、という状況の中で音階練習をすることができます。
このように声を動かしやすくしてあげることで、高音へのアプローチもしやすくなるのです。またロングトーンで力強く発声するときよりも半音の差も狭く感じられると思います。(♯α)
A. 声は声帯というところで出ています。この声帯は薄い粘膜出てきていて、長さ、厚さは人それぞれです。
リコーダーを思い出してみてください。ソプラノリコーダーの長さに比べてアルトリコーダーは太くて長いですね。ヴァイオリンも同じで高い音が出ますが、それより低い音が出るビオラはヴァイオリンよりも少し大きめです。さらに、チェロは低い音が出ますので大きく、床に置いて引きますし、コントラバスにいたっては人間と同じくらいの大きさがあり、もっと低い音が出ますね。
声帯もこれらの楽器と同じです。高い声の人は声帯が薄く短く、低い声になるにつれて声帯は太く分厚くなっていきます。この自分の声帯の範囲でならば声域を広げることは可能ですが、もともと持っている楽器(声帯)が例えば高音向きならば、持っていない音域の低音はどんなにがんばっても出るようにはならないのです。
では、自分の楽器の範囲で声域を広げるにはどうしたらよいのでしょうか?体をリラックスさせること、呼吸を正しくすること、そして、「ソファミレド」のように、高い音から低い音にかけて、だいたい中音域の辺りから発声練習をします。軽く、小さく、スタッカートで行うとよいでしょう。その時に決して喉を締め付けないように。徐々に音を高くしていき、喉に負担がくるようならばその時点でやめることです。低い音も同じです。無理して出さずに、徐々に音域を広げていきます。
体の筋肉が育っていけば、高音も低音も、自分の持っている範囲の音域は出るようになります。無理せず練習を積み重ねていきましょう。(♯Å)
A.声域を拡げたいと思った時、高い声ばかりを練習したり、逆に低い声ばかりを練習すれば、それが叶うかというと、そんなことはありません。また、低音域、中音域、高音域というのを、意識して変えることもあまり望ましいものではないと思います。
自分のしゃべり声くらいの無理のない音域から、喉で過度に調節しない状態(喉が痛くなるような状態や喉仏が上がるような状態)というのを作っていき、その部分と同じような状態を保って、低音域も高音域も出せるように訓練していくことが重要だと思います。
音域が狭い人の特徴としては、低音域を、無理に低く出そうとしているという人や、その人にとって、高音域というほど高音域ではない音域にもかかわらず、とんでもなく高い音を出しているような状態になっているという人が挙げられます。このような人は、本人の意思と体の反応がマッチしていないことが考えられます。また、高い音を出そうとして、体を固くしてしまっているような場合もあります。体を固める力が働いてしまうと、制御不能になるので、音域は狭くなり、声も余裕がなくなります。リラックスした状態で、中音域の練習を心がけ、少しずつ、それと同じように上下に伸ばしていくようにするといいでしょう。(♭Я)
A.声の高さは、声帯の伸び縮みで決まります。声が高いときには声帯は薄く引き伸ばされ、低い声の時には、声帯は厚く、短くなります。この伸縮性を自在に操れるようにならないといけません。しなやかな伸び縮みのためには、毎日練習をして動きやすくトレーニングをする必要があります。
ドレミファソファミレドを、グリッサンドでドーソードというような感じに音をつなげるようにして歌ってみましょう。それを半音ずつ上げていったり下げていったりしてみてください。
さらに声帯にうまく息を使わなければ、音はならないため、呼吸の練習は必須となります。ろっ骨を広げて肺に息が入りやすい状態を作りましょう。また下腹を腰のところで両サイドからつかんでみて、この部分を固めず、でも縮ませないで、流動的に使えるよう意識してみてください。
さらに高音(ハイCより上)などはソープラアクートといって、また特別な技術が必要です。声帯がとても薄く合わさらないと出ない音域です。表の声、低音の声のまま出してしまうと、そばなりのうるさい声になるだけでなく、声の故障を招きかねません。音域を広げるにも練習あるのみですので頑張って励みましょう。(♯β)
A.ある女性の方ですが、最初は地声の音域が一オクターブほどを出すのがやっとで、裏声の音域がほとんど出ないという方がいらっしゃいました。
「呼吸」「身体への共鳴」という点を重点的に訓練し、低音域で声帯がきちんとくっついた声で身体への共鳴を感じ、それがご自身で気持ち良いと思うということを習慣にしています。
低音域の安定とともに、オクターブの発声練習ではよく共鳴する高音が出るようになり、歌の表現に合わせたキーでまだ自由自在にとはいきませんが、歌っていて気持ち良くて歌えば歌うほどエネルギーがわいてくるということをおっしゃっています。
人それぞれの身体の使い方の癖や声帯の形状、喉の筋肉の柔軟性などあるため、一概にこうすれば良いということは言えませんが、呼吸と低音域の安定が結果的に持っている声を無理なく引き出したよい例です。(♯ё)
A.声域が狭い原因としまして、体を使えず喉のみで声を発していることが考えられます(時折、喉のみの発声で2オクターヴ以上の声域が出る方もおります)。
もう1つはある声域に達すると「これ以上高い(低い)音の声は出ない」と構えてしまう、精神的な原因が考えられます。
まずは、横隔膜→丹田→臀部→腰→背中(肩甲骨)の順に筋肉をゆっくり長く使うイメージを持ちまして、息を上顎の軟口蓋に送ることを心がけます。次に声の響きを縦長に拡げるイメージを持ちます。そして顎を少し引き、姿勢を正します。頭頂から踵までの体の後ろ全てを壁にくっつける姿勢です。頭頂から踵まで1本のまっすぐな線ができ、息が通りやすくなります。疲れたり、高音域になりますと顎が前につき出すようになり、息の通りの線から外れて声が出しにくくなることを防ぐためです。
以上のことから「体を使ってしっかり声を発する」自信が多少ついてくると思います。その自信によって声域から身構えてしまうということが無くなり、少しずつ声域が拡がるのではないかと考えられます。1~3ヶ月(これより長い期間でも構いません)で半音ずつ声域が上下に拡がると万々歳、というくらいの気持ちで声域を拡げることに、取り組んでみましょう。(♭й)
A.まずは正しい姿勢、正しい呼吸、正しい発声を学ぶことをお勧めします。喉声などでは出せる音域が狭いことが多いので、しっかりした発声を学ぶことで音域が広がることがあります。
その際、タイプにもよりますが、まずは高音部のトレーニングを積むことで、呼吸、響き、ポジション、口の形などを見つめなおし無駄な力がない正しい発声を身に着けると、低音も伸びてくることが多いです。
角度を変えると、まず、自分の音域をしっかり把握することが大切です。歌を歌うぞっと意気込んでしまうとあまり音域がなく感じてしまいますが、普段の生活の中では意外に多様な声を使っていることが多いです。
例えば、電話に出た時のお母さんはいつもより高い声で話しています。自分の現状をしっかり把握することで、それらを利用し、そのうえでさらなるトレーニングをすると、より効果が見えてくると思います。(♭Ц)
A.大多数の方が高い音を出すのに苦労されていると思いますので、声域を高い方まで拡げる方法についてお答えします。
高音を出すのが苦しくなる主な原因は、喉仏が上に上がることです。深い呼吸をしているときや、低い音を出すときは、喉仏はしぜんと低い位置にありますので、そのままの状態で高音を出せばよいのです。でも呼吸が浅くなったり、肩まわりに力が入ったり、緊張したりすると、喉仏は上がってきます。
「喉仏を下げよう」と意識しても難しいので、あくびをしてみて下さい。そのときに喉仏を触り、それがなるべく動かないように気をつけながら高音を攻めてみて下さい。上がってきたら、またあくびからやり直すとよいです。(♯∂)