発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.ヴォイトレは本当に必要でしょうか。

Q.ヴォイトレは本当に必要でしょうか。

A.そういう疑問は、常にもちつづけていくとよいと思うのです。それならば、芝居とか歌も本当に必要なのかと。何でも教えて欲しいという人がいて、何かを教えたい人がいると教授関係が生じ、市場ができます。医者と患者と同じです。しかも、患者でなくとも患者になりたがる人もいます。患者が医者もつくるのです。(現実に患者をつくる病院だらけよりはよいかもしれませんが)だからこそ疑い続けるのです。

 

Q.ヴォイトレでプロになれますか。

A.ヴォイトレで全てが決まる、可能性が全開すると思う人もいます。まさに現代の医療、ちょっとした落ち込みにまで、病名をつけ、新薬を開発して服用させているのに似ています。正しいこと、もっとうまくやれる方法を知っているから教えてあげようとなったのは、よくも悪くも受ける人の方にも問題があると思います。教えている人、教わっている人が多くなったのに、ちっともすぐれた人が出ていないのですから。

 

Q.日本の教育でうまくいっていないところは、ヴォイトレに影響していますか。

A.家庭や学校で得てきた物事を学ぶときの基本スタンスができていないことは、年々感じます。しかし、元々、教育の効果のようなものは、測定しにくいものです。人生一生を軸にすると、50年くらい経たないと評価できるものでありません。一方的な見方しかできなかったことを多角的にみられるようになれば、それだけでも大成果です。下手な大学教育などよりヴォイトレで学べることの方がよほど大きいかもしれません。

 

Q.根拠のないようなもの、示されていない解答が少なくありませんが、よいのでしょうか。

 A.私の答えに関しては、経験に則ったもの、他の人たちの知識や研究で示されたもの、直観や思いつきで述べたものなどがあります。そのうち、試験にはよいが実際に役立たないもの、本などに述べたあとに後悔するものとして一番多かったのは、2つ目の他の偉い方の高説です。なぜなら、学問や研究は新しいものによって過去のものが否定されていくからです。特に音声の研究は、ここ50年くらいで成り立ってきただけに、まだまだ流動的で、個人的な感想の域を出ていないもの、データといってもサンプル数が少なすぎて、扱いに困ることが多いのです。それよりは直感の方が深いものを与えてくれると思います。私の答えているのは、くり返しますが、答えでなくあなたへの問いかけなのです。

 

Q.どんな人にこれを読んでもらいたいですか。

 

A.誰でも。出会いは縁です。

 

 

Q.ヴォイトレをやってもあまり変わりません。なぜでしょうか。

 

A.ヴォイトレにもよりますが、よくある例としては、変えようとして、ヴォイトレを行っていないこと、あるいは、こんなことで変わらないのではと考えて、身が入っていないこと、変わるのと変わらないのをどう区別しているかも気になります。ヴォイトレが何を示すかにもよりますが、柔軟や呼吸のトレーニングだけでも、かなり声は変わるものです。

 

 

 

Q.ヴォイトレは無駄だからやるなと言われました。

 

A.根拠を示されないと答えようもないのですが、そう考える人がいるのは、それもありえるからです。とはいえ、声を出して読んだり歌ったりしていることも、そのままでヴォイトレなのです。あまり常識や固定観念、先入観に囚われない方がよいと思います。たとえ無駄と思えることでも、がむしゃらに取り組む時期が、大成した人には必ずあります。

 

 

Q.スクールの体験レッスンを受けたのですが、どこもあまり満足できませんでした。

 A.体験レッスンは、スクールとしては入学させるためですから、けっこうおもしろく、特に最近の傾向では、丁寧で親切、やさしく笑顔で、みたいな感じですね。わずかな時間でトレーナーの実力や自分との相性を判断するのは難しいことです。やはり、目的やレッスンを受けたい理由をはっきり具体的に伝えないと、トレーナーも一般的に受けのよいレッスンのスタイルをみせるだけで終わってしまうと思います。そのトレーナーにどのくらいの器、引出があるのかは、実際についてみないとわからないことも多いです。私は、最初の23ケ月間がトレーナーとの体験レッスンのようなものだと考えています。もちろん、誰でもすぐできることを教えているトレーナーなら、その23ケ月間ですべて終わってしまうでしょうが。

 

Q.間違った努力はないですよね。

 

A.たとえば、ヴォイトレの成果を声量だけに限定したら、歌としてのバランスは悪くなります。その成果を声だけでみるなら、表現としてのバランスがとれません。こういうのは間違った努力です。

 

たとえば、声が100あるのに、110にしようという努力ばかりしている、一方で、他の人は50しかない声で表現や舞台をきちんとやれている、そのときの問題は声でなく、声の使い方、あるいは、表現や演技の方なのです。空回りするのは当然です。

歌のリズムがとれていないのに、いくらヴォイトレしても効果がない、求められているものが違うのですから当然です。こういうことは言われるとあたりまえですが、現実にはよく起きてます。トレーナーをもっとうまく使うべきなのです。

 

Q.ヴォイトレで自分の考えややり方を変えられるのは避けたいのですが。

 

A.もし本当にそんなことが起こせるなら、それは偉大なトレーナーです。メニュを変えたくらいで人の考えややり方のようなものは、そう簡単に変わりません。「まったく変わりました」と言ってくださる人の声でも8割は同じままです。電話で「誰かわからないと親しい人に言われた」などというのは変わりすぎて、危険か間違っているかと心配になります。安心してください。変わるのは、まったく何もない人だけです。これは変わるとは言いませんが。あとは変わったら大成功。変わるように全力で努力したところで、9割はあなたのままです。