発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.歌唱力で勝負したいのですが。

A.歌い手が最後に行き着くのは、真のオリジナリティ、声のデッサン、オリジナルフレーズの探究です。プレイヤーが曲を弾くときに、自分の弾き方、そこから出てくる自分の音(音色と動かし方)を執拗にこだわるのは、それがミュージシャンのアイデンティティであり、オリジナリティだからです。声域、声量などよりも、デッサンにこだわってください。それこそが真価だからです。独自の声のデッサンで、オリジナリティを鍛えましょう。 大きな絵も、絵の具をたくさん使った絵も、驚きはするけれど飽きます。大作を作れる人は、ペン一本、筆の動き一つ、つまりデッサンだけでも人の心を打つ線を出せるのです。色は音色、線はフレーズということです。歌はその応用にすぎません。多くのアーティストは、声で描き出されたタッチを持っていて、作品はそれをそのとき生かした一つの形に過ぎないのです。ですから、評価されるのは作品であっても、レッスンではデッサンを問うことです。トレーニングは、そのための習作づくりです。(♭)