A.体のことは、体のプロと直していくのがよいと思います。体のプロといっても、いろんな人がいます。
ただ、ヴォイトレや声、歌に使うことからいうと、日常はともかく、体が左右対称にならないとか歪んでいるようなことはよくある、いや、ほとんどの人がそうなので心配はいりせん。
「体が硬いとだめですか」ともよく聞かれますが、硬いより柔らかい方がよいというだけです。できるのなら柔らかくしましょう、ということで、プロにも硬い人はたくさんいます。
昔よりも疲れてきた、痛むことが多くなったとしたら、それは筋肉の量が少なくなって支えられないことが第一です。負担が大きく緊張が続くためです。
右利きなら右の方が筋肉量が多いでしょう。よくカバンは片手だけでなく交互に持ちましょうと言われます。パソコンもスマホも利き腕中心なので偏りの原因ですが、それを逆の手でやってバランスをとっても筋肉は同じです。
重量として重力の負担は同じなので、バランス調整よりも鍛練して、筋肉量を増やすことが解決策です。
こういうことは、私がいつもヴォイトレで述べていることと同じです。一言で、器といっていますが、この場合、例えば2時間立っていることで考えます。フルでステージをやる人ならリハーサルや動くことも考え、これを最低条件とします。それが平気な人と30分できつい人がいると、30分できつい人は、当然、足や首肩までも早く疲れ、痛くなるでしょう。そこで左右のバランスを均等にしても1時間立てるようになるわけではありません。2時間になると、同じことが起きます。調整してもよくなりません。もう調整しているからです。この場合、鍛えて、2時間耐えられる筋力、つまり、その器を大きくすることしかないのです。
体は、これほどわかりやすいのに、そのように言う人が多いということは、問題にさえ浮かんでこないわけです。声は複雑ですが、こういうふうにシンプルに考えるべきです。響きを上にあててとか、奥を開けてとかやっているわけです。器のある人に対しては、器をつけなければ、大して変わりようもありません。器をより大きくするか、そこで調整するかはどう考えるかです。
しかし、トレーニングは呼吸一つとっても、大きい方がより有利ということで必要以上に力をつけておくことのためにやると思った方が迷わないと思います。(♯)